ころもです。
単品では身体に良くても、組み合わせによっては毒になるものはあります。
好きだから、美味しいからと好き勝手に食べることは自由ですが、組み合わせによっては求めた栄養が得られないばかりか、栄養の吸収が阻害され、効果も半減、場合によっては重篤な症状を引き起こすことも。
昨日の常識は今日の非常識。
ということで、今回は、6月14日号の『週刊朝日』から、「危険を招く!?食べ合わせ&薬の飲み合わせ」をご紹介します。
ぜひ、健康づくりに活かしてください。
どうせ食べるのだったら正しい知識で
ーー食べ合わせNGーー
【ジャガイモ + ケチャップ】
脳機能低下
両方とも糖質が豊富。脳のエネルギー源である糖質だが、過剰に摂取すると血糖値を急激に高める。高血糖状態が続くと血管に悪影響を及ぼし、脳の機能を低下させる。
【イワシ + エビ・カニ】
DHAの吸収阻害
エビやカニの甲殻類は、キトサンという動物性食物繊維を含み、余分な脂肪の吸収を抑え、肥満に効果的とされる。だが、イワシなどの魚にあるDHAやEPAの吸収まで抑えるとされる。
【イクラ + 生ホタテ】
ビタミンB1の破壊
生のホタテにあるチアミナーゼという酵素は、イクラに含まれるビタミンB1を破壊してしまう。ビタミンB1は脳を活発に働かせるために欠かせない。ホタテを加熱すると防げる。
【熱かん + からし】
炎症助長+アルツハイマー病
両方とも血行を促進させて体を温めると同時に、炎症を助長する作用があり、じんましんや腸の炎症を引き起こす。体内の炎症はアルツハイマー病に関与するという研究がある。
【チョコレート + 牛乳】
ポリフェノールの吸収阻害
カカオ豆にあるカカオマスポリフェノールは、血糖値や血圧の安定、糖尿病やがん予防としても注目されるが、牛乳に含まれるカゼインによって、その成分の吸収が妨げられる。
【イクラ + 納豆】
ビタミンKの活性を阻害
イクラにあるビタミンEは、納豆に含まれるビタミンKの活性を妨げる。ビタミンEは抗酸化作用を持ち、脂質の酸化を防いでくれて、ビタミンKは骨の健康を保つ効果がある。
【玄米 + チーズ】
ミネラルの吸収阻害
玄米に含まれるフィチン酸には強い抗酸化作用があるとされるが、チーズをはじめとする乳製品のミネラルと結びつくことで、ミネラルの吸収が妨げられてしまう。
【レバー + レンコン】
鉄分の吸収阻害
コラーゲンを生成するために必要な鉄分を多く含むレバーだが、レンコンにあるタンニンと鉄が結合するとタンニン鉄という体内に吸収されにくい物質に変化してしまう。
【小松菜 + ゆで卵】
鉄分の吸収阻害
卵をゆでたときに発生する硫化水素にはイオウが含まれる。イオウは、小松菜にある鉄分の吸収を妨げる。殻がなければ硫化水素が発生しないので、溶き卵にすれば問題ない。
【牛乳 + 紅茶】
カゼインの吸収阻害
ミルクティーだが、紅茶の渋み成分のタンニンは、牛乳に含まれるタンパク質で栄養価が高いカゼインの吸収を妨げる。ほうじ茶にはあまりタンニンが含まれず、ほうじ茶ラテなら良い。
【ちりめんじゃこ + 大根おろし】
リジンの吸収阻害
ちりめんじゃこは、リジンという細胞を修復する必須アミノ酸を含んでいるが、大根にあるリジンインヒビターという抗体がリジンの吸収を妨げる。
【黒蜜 + 緑茶】
鉄分の吸収阻害
かりんとうなど黒みつのかかった和菓子と緑茶は合いそうだが、黒蜜に使われる黒糖は鉄分が豊富なのに、緑茶のタンニンが鉄分の吸収を妨げ、鉄の排出を促してしまう。
【桜エビ + レモン】
銅の吸収阻害
桜エビには、血液や骨の生成を助け、体内の活性酸素を取り除く働きのある銅が豊富に含まれているが、レモンのビタミンCがその吸収を妨げてしまう。
【ウナギ + 黒豆】
ビタミンEの吸収阻害
黒豆の発色剤として使われる硫酸第一鉄という物質は、ウナギに含まれる抗酸化物質で美容や健康に効果のあるビタミンEを破壊してしまう。
【ヒジキ + 牛肉】
亜鉛の吸収阻害
牛肉の赤身には、美肌や髪のツヤに効果的とされる亜鉛が含まれる。だが、ヒジキなどの食物繊維を豊富に含む食品は、亜鉛の吸収を妨げてしまう。
【ビール + レバー】
鉄分の過剰摂取
飲酒の習慣があり、肝臓の機能が低下している人は、レバーを食べ過ぎると鉄分の過剰摂取につながる。体の老化を促進させ、脂肪肝、肥満、肝硬変などのリスクが高まる。
【ビール + フライドポテト】
脂質 + 糖質で肥満
ビールなどのアルコールを摂取すると、肝臓から末梢組織に脂質を運ぶVLDLという物質が発生する。糖質の多いフライドポテトと組み合わせれば肥満に。
【コーラ + ポテトチップス】
食欲増進 + 肌荒れ
コーラなど糖質の多い炭酸飲料は、炭酸ガスが胃腸を刺激して食欲を増進させ肥満を加速させる。ポテトチップスは、食べ過ぎると肌荒れや動脈硬化を引き起こす恐れも。
【アボカド + キュウリ】
利尿作用で冷え
両方ともカリウムが豊富なため、利尿作用によって体の熱が奪われることで冷えにつながる。冷えは、新陳代謝の悪化で、肥満、肌のくすみ、白髪や抜け毛などを引き起こす。
【ギンナン + アルコール】
ビタミンB群の効果減
滋養強壮に良いとされるギンナンだが、食べ過ぎると肌の調子を整えるビタミンB6の働きを妨げる。アルコールは、代謝するときにビタミンB群を消費してしまうため、より悪い。
【カニ + 柿】
利尿作用で冷え
両方とも利尿作用のあるカリウムを含み、尿の頻度が増えることで、体の熱も排出されて冷えにつながる。冷えは、免疫力の低下、心疾患、脳血管障害などを招く危険性がある。
【納豆 + 生卵】
ビオチン吸収抑制でアレルギー
両方とも脳を活性化させる成分を含む良い食べ合わせだが、アレルギー体質の場合は注意。生卵の卵白に含まれるアビジンという物質が、納豆のビオチンの吸収を妨げ、アレルギー物質を排出する効果を減退させる。
【ワカメ + ネギ + 豆腐】
ネギによるカルシウムの吸収阻害
みそ汁の定番である具材だが、ネギに含まれる硫化アリルとシュウ酸が、豆腐とワカメにあるカルシウムの吸収を妨げる。みそ汁に豆腐とワカメだけならベストコンビ。
【桜エビ + タケノコ】
タケノコによるカルシウムの吸収阻害
骨粗しょう症予防に適した食材で、カルシウムを豊富に含む桜エビだが、タケノコのえぐみ成分であるシュウ酸がカルシウムと結合し、体内への吸収を妨げる。
【枝豆 + チーズ】
枝豆によるカルシウムの吸収阻害
おつまみの定番だが、枝豆に含まれるフィチン酸という成分は、チーズにある豊富なカルシウムの吸収を妨げる性質がある。
【チーズ + ベーコン】
ベーコンによるカルシウムの吸収阻害
ベーコンに含まれるリンは、チーズにあるカルシウムや鉄分の吸収を阻害する。リンは食品添加物として加工肉やインスタント食品などに含まれている。
【明太子 + マーガリン】
亜硝酸塩と酸化防止剤
パスタやジャガイモにあえればうまいと思いきや、明太子の発色剤に使われる亜硝酸塩とマーガリンの酸化防止剤が体内でまじわると発がん性物質を生じさせる恐れがある。
【ハムカツ + とんかつソース】
亜硝酸塩と合成保存料
一般的にハムの発色剤として亜硝酸塩が使われ、ソースにはパラオキシ安息香酸エステルという合成保存料が含まれる。体内で結合すると発がん性物質を生じさせる恐れがある。
【焼き魚 + 漬物】
ジメチルアミンと亜硝酸塩
魚を焼くときに発生するジメチルアミンというタンパク質は、漬物に含まれる亜硝酸塩と体内でまじわるとニトロソアミンという発がん性物質を発生される恐れがある。
【ハム + ジャム】
亜硝酸塩とソルビン酸
ハムやベーコン、ソーセージの発色剤に含まれる亜硝酸塩は、ジャムの保存料に使われるソルビン酸と科学反応を起こして発がん性物質ニトロソアミンを発生させる恐れがある。
【レモン + 紅茶】
防カビ剤とカフェイン
輸入レモンの皮には、輸送中のカビを防ぐためにOPPという防カビ剤の一種が使われていることが多く、紅茶のカフェインとまじわると発がん性物質を生じさせる恐れがある。
【ヨーグルト + ポテトチップス】
カルシウムの吸収阻害+血管を狭める
ポテトチップスに含まれるリンは、ヨーグルトのカルシウム吸収を妨げるだけでなく、カルシウムと結合したリンによって血管が狭くなると動脈硬化の危険性が高まる。
【寒天 + 卵】
胃腸に負担
寒天のガラクタンという食物繊維と卵白に含まれるアビジンというタンパク質は、消化が悪く腸に負担をかける。消化不良を起こすと胃腸の働きが悪くなり、血糖値や血圧にも悪影響。
【豚肉 + 桃】
胃もたれ
脂質は健康に必要な栄養素で、豚肉に多く含まれるが、桃にある有機酸が脂肪の吸収を妨げるため、消化器官に負担がかかり胃もたれなどの消化不良を起こしかねない。
【トンカツ + スイカ】
水分過多で胃腸弱まる
たんぱく質と脂質が多いトンカツは、消化に時間がかかる。夏に食べたい食後のスイカは、水分が多いので胃酸を薄めたり、体温を低下させたりして胃腸の働きを弱める。
【大豆 + レンコン】
ガス溜まり
どちらも食べると腸内細菌の働きでガスを発生させ、おなかの張りを引き起こしやすくする。レンコンに含まれるタンニンが、大豆の鉄分と結びついて、鉄分の吸収効率を下げる。
【大豆 + サツマイモ】
便秘の要因
両方とも不溶性食物繊維が豊富だが、とりすぎると便秘を引き起こす。スムーズな便通を維持するには、不溶性と水溶性の食物繊維を2:1の割合にするとよい。
【ゴボウ + 緑茶】
便秘悪化
ゴボウに含まれる不溶性食物繊維は、腸の動きを活発にするが、腸の動きが悪いときは、緑茶に含まれるタンニンをとりすぎると、腸のぜん動運動が緩やかになり、便秘悪化の要因になる。
【玄米 + 豆腐 + そば】
腸を刺激
体に良いとされるこれらの食材には、たんぱく質の一種であるレクチンが含まれる。少量であれば問題ないが、腸を刺激する物質のため、体質によっては腸内環境を悪化させる。
【大豆 + ヒジキ】
腸を刺激
大豆に含まれるサポニンという物質は、排泄を促す作用があり、食物繊維の豊富なヒジキと一緒になると相乗効果で腸を刺激しすぎてしまう。腸が弱っているときは注意。
【柿 + 牛乳】
腸を刺激+カルシウムの吸収阻害
柿に含まれるタンニンは、牛乳のたんぱく質やカルシウムに結合して消化や吸収を妨げる。牛乳のたんぱく質が固まって胃腸を刺激し、腹痛を招くこともある。
【トウモロコシ + 牛乳 + フルーツ】
下痢の要因
トウモロコシと牛乳は腸の働きを活性化させるが、体が弱って胃腸の調子が悪かったりするとお腹を下す要因になる。フルーツの果糖は、小腸で吸収されにくい性質がある。
【タマネギ + アルコール】
胸焼け
アルコールは、筋肉を緩め、胃酸の分泌を促進して逆流性食道炎のリスクを高める。加熱したタマネギから発生するイオウを含む物質が胸焼きを引き起こし、逆流性食道炎につながる恐れも。
【キュウリ + ビール】
利尿作用を高める
カリウムを含むキュウリは、塩分を排出しむくみを解消する効果を持つが、ビールと一緒に摂取すると利尿作用が高まり、脱水症状を引き起こす。
ーー薬の危険な飲み合わせ 食べもの編ーー
【ブロッコリー + 抗血栓薬】
ブロッコリーなどのビタミンKが豊富な野菜は血液を固める作用があり、抗血栓薬(ワルファリン)と相性が悪い。血中に血栓ができて心筋梗塞や脳卒中を招く恐れがあるため、薬の服用時にはとりすぎに注意。
【納豆・サラダ油 + 抗血栓薬】
納豆やサラダ油(なたね油、大豆油)に含まれるビタミンKは、抗血栓薬の効き目を下げ、血栓をできやすくする。納豆菌は、腸内で新たなビタミンKを作るので少量でも避ける。
【タマネギ・しょうが + 糖尿病の薬・抗血栓薬】
ねぎ類やしょうがは、血液をサラサラにし、血糖値の上昇を抑える働きがあるとされる。同じ働きをする抗血栓薬や糖尿病の薬が効きすぎて低血糖症状や出血が止まらなくなる恐れがある。
【チーズ + 抗生物質・骨粗しょう症の薬】
ニューキノロン系とテトラサイクリン系の抗生物質や骨粗しょう症の薬(リセドロン酸ナトリウム水和物)は、チーズなどの乳製品に含まれるカルシウムと結合して、薬の作用が低下する。
【ステーキ + 胃腸薬】
ステーキなどの肉に含まれるリン酸は、胸やけやゲップに効く胃酸を抑える制酸剤(水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム)を含む胃腸薬と相性が悪く、薬の効果を低下させる。
【脂身の多い肉 + 脂質異常症の薬など】
脂質異常症の薬は、食品の脂に溶けて吸収が強まる。薬の効果が強く出てしまい、胃の不快感や下痢などの副作用につながる。
【海藻 + 不整脈の薬】
不整脈の薬(アミオダロン塩酸塩)は、こんぶやわかめなどの海藻に含まれるヨウ素との相互作用でホルモンに影響を及ぼして、甲状腺の病気になる危険性がある。
【酢・梅干し + 胃腸薬・解熱鎮痛薬】
市販の胃薬や解熱鎮痛薬には微量のアルミニウムを含むものが少なくなく、酢や梅干しなどクエン酸を含む食品と同時にとると、アルミニウム脳症やアルミニウム骨症の危険性が増す。
ーー薬の危険な飲み合わせ 飲みもの編ーー
【牛乳 + 抗生物質・骨粗しょう症の薬】
抗生物質や骨粗しょう症の薬は、カルシウムに反応する。牛乳のカルシウムが薬とくっついて離れなくなり、薬の効き目が低下する。牛乳と薬は2時間以上あけて飲む。
【牛乳 + 睡眠薬】
脂に溶けやすい薬を牛乳で飲むと、薬が乳脂肪分に溶けて吸収がよくなり、副作用を招く。特に、睡眠薬(クアゼパム)は、めまいや息苦しさなど危険な副作用を引き起こす。
【牛乳 + 便秘薬】
胃で溶けずに腸で溶けるように工夫された便秘薬などの薬を牛乳で飲むと、腸に届く前に胃で溶けてしまう。便秘が治らないうえ、胃が荒れて吐き気など不快な症状を起こす。
【ミネラルウォーター + 抗生物質・骨粗しょう症の薬】
輸入された硬水には、水道水の20倍以上のミネラルを含んでいるものがある。抗生物質や骨粗しょう症の薬は、ミネラルと結合して効果が落ちるので、水道水か軟水で飲む。
【グレープフルーツジュース + 高血圧の薬など】
高血圧や心臓病、片頭痛など、さまざまな薬の作用を高め、危険な副作用につながる。グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分に原因があるとされる。
【カフェイン飲料 + かぜ薬・解熱鎮痛薬など】
かぜ薬や解熱鎮痛薬などカフェインが入っている薬をカフェイン飲料で飲むと、過剰摂取につながり、脳神経系が刺激されて頭痛やめまい、動悸などを引き起こす。
【青汁 + 抗血栓薬・抗生物質】
青汁に豊富に含まれるビタミンKと抗血栓薬は相性が悪く、血栓ができて心筋梗塞や脳卒中を招く危険がある。ミネラルも多いが、抗生物質と結合して薬の吸収を妨げ、効果を弱める。
【抹茶 + 抗血栓薬】
抹茶はビタミンKを豊富に含んでおり、抗血栓薬の効果を下げ、血栓をできやすくする。ただ、お湯で抽出して飲む玉露や煎茶ならビタミンKがほぼなくなるのでOK。
以上です。
健康にいいだろうと食べているものが、薬と合わせるとむしろ身体に悪い面が出てきてしまう。
単品での良さと複合的になることの良さというものは別物であるということを忘れずに、こういった組み合わせの危険性の知識を増やしていくことは重要です。
一つ一つは美味しかったり、健康によかったりするものも、相性によっては毒になる可能性もある。
これは本当に人間関係にも通じるものがあります。面白いお笑いコンビがいても、パートナーを変えるとまるで面白くなくなったり、逆にとてもおもしろくなったりと、変化が起きる。
これまで相性バッチリと思って食べていたものが、実は相性が悪いことがわかって辛い部分も出てくるかもしれないですが、それだけが唯一の組み合わせということでもないので、そこは早目にあきらめ、違う美味しさの追求に挑むということも大事かもしれません。
ぜひ、ご活用下さい。
ではまた。
(出典・引用元:『週刊朝日』6月14日号)
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