ころもです。
歳を重ねることの怖さというのは「死」が近づく恐怖もさることながら、大切なもの、こと、人の記憶を失っていくということではないでしょうか。
そういう意味では、今回『週刊ポスト』が実名をあげた「認知機能低下の副作用がある薬剤」実名リストは、しっかり記憶しておきたい知識のひとつといえます。
無駄に恐怖を煽るつもりは毛頭ないですが、恐ろしいのは認知機能が低下する副作用が報告されているにもかかわらず、薬を処方する際に、「認知機能の低下」についての説明義務が医師に「ない」ということです。
そんな馬鹿な…
と思うのですが、
「命にかかわる病気であったり、治療に緊急を要する場合、多くの医師は『発生しないかもしれない副作用のリスク』より、治療を優先する。……後略」
というのです。
(引用元:『週刊ポスト』2018年7月13日号)
確かに命あっての副作用ですから、命が消えかかっているときに副作用が怖いからといって緊急を要する場面で躊躇してはいられないというのはわかります。
ただ、
やはりそういう医療側、医師側の気持ちを理解できることと、副作用で認知機能が低下することを認めるということを同列にするわけにはいきませんよね。
だからこそ、一人ひとりが知識がつけることが求められるわけです。
という記事をご紹介しました。
今回は予告どおり本日発売『週刊ポスト』より、「認知機能低下の副作用がある薬剤」についてご紹介させて頂きます。
怖れるのではなく、選択肢を広げると考えよう
今や65歳以上の7人に1人が罹患しているといわれる認知症。
まったく他人事とは思えません。
今回の『週刊ポスト』の記事では、PMDA(独立行政法人・医薬品医療機器総合機構)
が公開する医療用医薬品、およそ1万5000の中から添付文書の副作用欄に「認知障害」「認知機能障害」「認知症」と記載された薬の商品名をリストアップし、それらを6つに大別して公表しています。
ではご紹介しましょう。
認知機能低下の副作用がある「薬剤リスト20」
【高脂血症治療剤】
◆シンバスタチン錠
〈効能・効果〉:高脂血症、家族性高コレステロール血症
〈製造販売社名〉:共和薬品工業、大原薬品工業など
◆ラミアン錠
〈効能・効果〉:高脂血症、家族性高コレステロール血症
〈製造販売社名〉:あすか製薬
◆リポザート錠
〈効能・効果〉:高脂血症、家族性高コレステロール血症
〈製造販売社名〉:武田テバファーマ
◆リポバス錠
〈効能・効果〉:高脂血症、家族性高コレステロール血症
〈製造販売社名〉:MSD
【頻尿・尿失禁治療剤】
◆オキシブチニン塩酸塩錠
〈効能・効果〉:頻尿、尿意切迫感、尿失禁
〈製造販売社名〉:沢井製薬、武田テバファーマなど
◆ベシケア錠
〈効能・効果〉:尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
〈製造販売社名〉:アステラス製薬
◆ポラキス錠
〈効能・効果〉:頻尿、尿意切迫感、尿失禁
〈製造販売社名〉:サノフィ
【疼痛治療剤】
◆リリカカプセル
〈効能・効果〉:神経障害性疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛
〈製造販売社名〉:ファイザー
【抗がん剤】
◆イクスタンジ錠
〈効能・効果〉:去勢抵抗性前立腺癌
〈製造販売社名〉:アステラス製薬
◆イメンドカプセル
〈効能・効果〉:抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状
〈製造販売社名〉:小野薬品工業
◆テモゾロミド錠
〈効能・効果〉:悪性神経膠腫
〈製造販売社名〉:日本化薬
◆テモダールカプセル
〈効能・効果〉:悪性神経膠腫
〈製造販売社名〉:MSD
◆スーテントカプセル
〈効能・効果〉:消化管間質腫瘍など
〈製造販売社名〉:ファイザー
【抗ウィルス剤】
◆コペガス錠
〈効能・効果〉:C型慢性肝炎におけるウィルス血症の改善
〈製造販売社名〉:中外製薬
◆リバビリン錠
〈効能・効果〉:C型慢性肝炎におけるウィルス血症など
〈製造販売社名〉:高田製薬
◆レベトールカプセル
〈効能・効果〉:C型慢性肝炎におけるウィルス血症など
〈製造販売社名〉:MSD
【抗精神病薬・躁病治療剤】
◆アリピプラゾール錠
〈効能・効果〉:統合失調症
〈製造販売社名〉:陽進堂、日医工など
◆エビリファイ内用液
〈効能・効果〉:統合失調症、双極性障害における躁症状の改善など
〈製造販売社名〉:大塚製薬
◆炭酸リチウム錠
〈効能・効果〉:躁病および躁うつ病の躁状態
〈製造販売会社〉:藤永製薬
◆リーマス錠
〈効能・効果〉:躁病および躁うつ病の躁状態
〈製造販売社名〉:大正製薬
(参考元:『週刊ポスト』2018年7月13日号)
自分とは無関係と思わず、知識として持っていれば選択肢も広がります。
代替可能な別の薬に替えることを検討したり、体質によって薬を変更出来ない場合などは容量を減らすなどということも選択肢のひとつに加えることもできるでしょう。
ただしここで重要なのは、個人で判断しないということ。
記事でも、個人の判断で服用を止めることは症状を重篤化させるリスクがあるので絶対に避けて下さいと念押ししています。
薬はそれこそ「薬にもなれば毒にもなる」ということをしっかり理解して、自分にとって最善の方法を探り当てて行きたいもの。
そのための知識として今回の記事は本当に重要と思います。
ではまた。
(出典元、参考元:『週刊ポスト』2018年7月13日号)
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