ころもです。
「伝統」と「慣習」。
この言葉が非常に嫌いです。
時間をかけて積み上げてきたものがまるで「最上級」のものであるかのように思わせるこの言葉によって、どれだけの人々が無駄に時間や感情をすり減らし、誤った選択を強いられてきたか。
今回は「伝統」や「慣習」ではないですが、もうひとつの元凶ともいうべき「習慣」について一考させられる記事を取り上げることにしました。
それは、本日発売された『週刊現代』が特集している副作用についての記事。
「厚生労働省が作成『新しい副作用』が見つかった薬」ということで、あなたが習慣として飲み続けている薬について再考するきっかけになればとも思います。
伝統も慣習も習慣も、折りに触れ見直すことは非常に重要です。
20年近く経って新たな副作用が見つかる場合も!
地味に恐ろしいのは、薬の副作用情報は日々更新されているというのに、医師のすべてがこうした情報をカバーできているわけではないという現実です。
病院が処方したのだから、医師が出した薬なのだから、
そんな理由で盲目的に薬を飲み続けていたら、実は新たな副作用によって薬以上に毒になるかもしれない可能性があっても気付くことも疑うこともなく体調だけが悪くなっていくという悪循環に陥り、最悪死を招くことだってあるかもしれない。
健康のためなら死んでもいいという本末転倒状態にならないためにも、自分が飲んでいる薬ぐらいは新たな副作用が発表されていないかを随時更新する努力と注意深さが必要でしょう。
ではご紹介します。
厚労省も警告!
最新版「この薬の副作用」
【高血圧】
薬の種類/薬剤の商品名:Ca拮抗薬
ノルバスク、アムロジン、アダラートCR、コニール、アテレック
薬の種類/薬剤の商品名:ARB
オルメテック、ミカルディス、アジルバ
ー注意すべき点ー
薬が効きすぎると急激に低血圧となり、めまいやふらつきなどの副作用が生じる。下痢、嘔吐、などの消化器症状、手足のしびれ、不整脈を引き起こすこともある。また、腎不全があらわれることがあるため要注意。
とくに高齢者の場合は、一般成人の半分の量など、低用量で処方し始めて、こうした症状が生じた場合に、減薬や中止、他の薬への変更などを考慮しなくてはならない。
薬の種類/薬剤の商品名:ACE阻害薬
タナトリル、レニベース、コバシル
ー注意すべき点ー
副作用として空咳が生じる。また、顔面、唇、まぶた、舌、喉がぱんぱんに腫れることもある。特に、喉が腫れると息がしづらくなり、呼吸困難に陥る恐れもある。
薬の種類/薬剤の商品名:サイアザイド系利尿薬
フルイトラン
ー注意すべき点ー
血中のナトリウムが不足することで、歩く時のバランスを調整する中枢神経に悪影響が出て、転倒することが多い。
【糖尿病】
薬の種類/薬剤の商品名:SU薬
アマリール、グリミクロン、オイグルコン、ダオニール
ー注意すべき点ー
効果が強いため急激に血糖値が下がりすぎ、低血糖を起こすことがある。脱力感、強い幸福感、発汗などの初期症状が現れ、ふらつき、めまい、動悸、震えなども起こる。
薬の種類/薬剤の商品名:ビグアナイド薬
グリコラン、メトグルコ
ー注意すべき点ー
急激に代謝が落ち、血中に乳酸がとどまることで、意識障害が起こることも。日中うとうとすることが増えたら要注意。
薬の種類/薬剤の商品名:チアゾリジン誘導体
アクトス
ー注意すべき点ー
心不全を引き起こす恐れがあるため、心筋梗塞、狭心症など心臓系の疾患を抱える人への投与は避けるべきである。
薬の種類/薬剤の商品名:α-グルコシダーゼ阻害薬
セイブル、ベイスン、グルコバイ
ー注意すべき点ー
小腸で作用し、消化酵素が働かないようにすることで、血糖値を下げる薬。そのため、腸に副作用がでることが多く、腸閉塞など重篤な症状が生じることもある。
薬の種類/薬剤の商品名:SGLT2阻害薬
スーグラ、フォシーガ
ー注意すべき点ー
血中のケトン体が急増することで、ケトアシドーシスを招く。主な症状は嘔吐、腹痛で、昏睡に至ることも。
【脂質異常症】
薬の種類/薬剤の商品名:スタチン
クレストール、リピトール、リバロ
ー注意すべき点ー
心筋梗塞・脳梗塞になったことのない75歳以上の人では、予防効果が証明されていないため、予防薬としての服用は推奨されない。新たに糖尿病を発症する危険性もある。
薬の種類/薬剤の商品名:フィブラート系薬剤
リピディル、トライコア、ベザトール、リポクリン
ー注意すべき点ー
スタチンと併用すると、筋肉を形成する細胞が壊れて、手足にしびれが出たり、力が入らなくなったりすることがある。腎機能が低下している人はとくに注意が必要。
【認知症】
薬の種類/薬剤の商品名:コリンエステラーゼ阻害薬
アリセプト、レミニール、リバスタッチ、イクセロン
ー注意すべき点ー
嘔吐、下痢などの副作用が現れることがある。貼り薬のリバスタッチ、イクセロンは、皮膚の角質が剥がれることで薬剤の血中濃度が上昇することも。毎回貼る場所を変える。
薬の種類/薬剤の商品名:NMDA受容体拮抗薬
メマリー
ー注意すべき点ー
痙攣、失神、幻覚や錯乱などの意識障害が現れることがある。投与初期にはめまい、眠気に襲われることもある。
【脳梗塞・心筋梗塞】
薬の種類/薬剤の商品名:直接作用型経口阻害薬(DOAC)
エリキュース、プラザキサ、イグザレルト、リクシアナ
薬の種類/薬剤の商品名:ワルファリン
ワーファリン
ー注意すべき点ー
血液がサラサラになりすぎるため、脳出血、消化管出血のリスクが上昇する。それに加えて、呼吸困難、頭痛、めまい、貧血、腎不全を発症することもある。
止血しにくくなるため、重篤な出血の場合は死に至ることもある。やむを得ない場合でも、1年以上これらの薬を複数併用することは避け、貧血の症状が出たら中止すべき。
【不眠・不安】
薬の種類/薬剤の商品名:ベンゾジアゼピン系 催眠鎮静薬 中、短時間作用型
レンドルミン、ロヒプノール、サイレースベンザリン、ネルボン
薬の種類/薬剤の商品名:ベンゾジアゼピン系 超短時間作用型
ハルシオン
薬の種類/薬剤の商品名:ベンゾジアゼピン系 抗不安薬
コンスタン、ソラナックス、デパス
ー注意すべき点ー
全身の筋肉を緩める作用があり、転倒しやすくなるので、骨が弱まっている高齢者は骨折のリスクが高まる。また、物忘れを悪化させる、せん妄(幻覚)をもたらすなどの副作用もある。保険適用内の量で服用しても依存性が発生する。海外では、投与期間が4週間以内に留められている。長期利用は避けて、少量の使用に留めるべき。
ただし、急にやめると、頭痛、痙攣、嘔吐などの離脱症状に見舞われることがあるため注意が必要。
薬の種類/薬剤の商品名:ベンゾジアゼピン系 催眠鎮静薬 長時間作用型
ダルメート、セルシン、ホリゾン、ソメリン
ー注意すべき点ー
歳をとると、代謝が落ちることで薬が消化されにくくなり、薬剤が体内に蓄積しやすくなる。そのため、とくに高齢者は長時間作用型を使用するべきではない。
薬の種類/薬剤の商品名:非ベンゾジアゼピン系 催眠鎮静薬
アモバン、マイスリー、ルネスタ
ー注意すべき点ー
入眠までの記憶、途中で目が覚めた時の記憶がなくなることがある。また日中、意識が朦朧として、車の運転や食事をしたのに記憶にない、夢遊病状態に陥る恐れもある。
【逆流性食道炎】
薬の種類/薬剤の商品名:プロトンポンプ阻害薬(PPI)
ネキシウム、タケプロン、パリエット、オメプラール、タケキャブ
ー注意すべき点ー
胃酸を抑えるので、逆流性食道炎で使用されることが多いが、強い腹痛や激しい下痢を引き起こすこともある。カルシウム吸収量が低下し、骨粗鬆症をもたらす恐れも報告されている。また、アルツハイマー型認知症になる可能性も。
薬の種類/薬剤の商品名:H 2受容体拮抗薬
ガスター、アシノン、ザンタック、タガメット
ー注意すべき点ー
呼吸困難に陥ったり、全身が紅潮して、顔面や喉が腫れることがある。血液中の白血球、赤血球、血小板のすべてが減少する再生不良性貧血という難病を発症することも。
【痛み】
薬の種類/薬剤の商品名:非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
セレコックス、ロキソニン、ロルカム、ボルタレン、モービック
ー注意すべき点ー
胃や食道から出血する恐れがあるため、短期使用に留める。また心不全、心筋梗塞のリスクも高める。降圧剤のARB、ACE阻害薬と併用することで、腎機能が低下→血中ナトリウムが不足し、筋肉の引きつり、痙攣が起きることも。
【骨粗鬆症】
薬の種類/薬剤の商品名:経口ビスホスホネート製剤
ボノテオ、リカルボン、ボナロン、フォサマック
ー注意すべき点ー
長期服用により、顎の骨を壊死させる恐れがある。歯肉が腫れ、歯が抜け、顎の骨がむき出しになり、顎の骨が腐っていく。歯や歯肉が痛んだり、急に歯が抜けたら要注意。
薬の種類/薬剤の商品名:副甲状腺ホルモン剤
フォルテオ、テリボン皮下注
ー注意すべき点ー
経口ビスホスホネート製剤と併用すると、効果が相殺される。腎不全を治療するビタミンD3製剤と一緒に使うと、高カルシウム血症になり不整脈やせん妄(幻覚)が生じる。
【COPD(慢性閉塞性肺疾患)】
薬の種類/薬剤の商品名:吸入長時間作用性抗コリン薬
スピリーバ、シーブリ
ー注意すべき点ー
口が渇く、便秘になる、吐き気を催すなどの消化器系の副作用がある。また、前立腺肥大症を抱える患者では排尿困難助長の恐れも。眼圧上昇、緑内障など視力障害ももたらす。
薬の種類/薬剤の商品名:長時間作用性β2刺激薬
オンブレス、セレベント
ー注意すべき点ー
副作用として、脈が異常に速くなり、手や指が震えたり睡眠障害が生じることがある。長期利用によって、高血圧、狭心症、糖尿病の患者は症状が悪化することもある。
薬の種類/薬剤の商品名:テオフィリン製剤
テオドール
ー注意すべき点ー
せん妄(幻覚)、意識障害などの副作用がある。また、心房細動が起こることで血栓ができて、最悪、脳梗塞に至ることも。
以上となります。
(出典・引用元:『週刊現代』2019年4月27日・5月4日号)
4月末にはガイドライン改訂によって高血圧の目標値が
「130/80 mmHg」
に引き下げられる予定ですが、これがまかりとおれば日本人の約半分の人口となる6300万人が高血圧と診断されてしまうことになります。
患者を増やして何がしたいんだといいたくなりますね。
年齢が上がるにつれ血圧が上がることは自然なことなのに。
今年2月にドイツで発表され日本の医師のあいだで話題をよんでいる論文の内容は、
70歳以上の高齢者で降圧剤を飲んでいる患者、約1600人を約5年間追跡したところ、80歳以上では血圧を低くコントロールしていた人のほうが、死亡数が多いことがわかった
というもの。
高雄病院の理事長であり内科医の江部康二氏など、
「私は医者ですが、できるなら薬は飲まないのが一番いい。それは確信を持って言えます」
と語っています。
実際、氏は52歳のときに糖尿病と診断されたものの一切薬は飲まず、食事療法と運動療法だけで糖尿病を克服したと。
では、なぜ医者は自分は飲まないのに患者には薬を出すのかについては、
「ガイドラインに従って、基準値まで薬で下げておかないと、患者さんが脳卒中や心筋梗塞を起こした際に責任が取れないから」
と医師たちは主張。
自分は飲まないけど、患者には出す。
この矛盾した構図をしっかり頭に叩き込み、自分が飲んでいる薬は本当に必要なものなのかを考える必要もあるでしょう。
多くの医師は一時的に薬を飲むことはあっても、飲み続けることは避けるといいます。
『週刊現代』の記事の結びに、こんな一行がありました。
「先生だったらこの薬を飲みますか」
これ、さまざまな場面で使える言葉だと思います。
是非、使ってみて下さい。
ではまた。
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