ころもです。
5月8日に公式ホームページが開設された池江璃花子選手ですが、今のところさらなる更新はないようです。
思うにそれが自然でしょう。
一番に優先しなくてはいけない「命」があるわけですから、その命を救うために全力を注ぐ。
今回のホームページ開設にしても、生きるための方策のひとつとしての位置づけであると思うし、更新命とばかりに「あれをしました、これをしました」とコマ送りのように世界発信する余力などないでしょうし、そんな余力があるのなら一歩でも前進したいという想いが強いだろうと。
それが”生きるよすが”になるのなら
直筆メッセージで現状報告が本人からなされ、多くの関係者、ファンたちも少しは安堵できたかもしれません。
どういう状況にあるのか、まったくといっていいほどわからない状況でしたから。
本日発売の『女性自身』5月28日号にも少しだけ、池江選手に関する記事が掲載されていました。
そこには前回病状について語っていた医師ではないですが、やはり白血病に詳しいという、江戸川病院腫瘍血液内科副部長、明星智洋医師がみる池江選手の現状、そして今後の治療予想が書かれていました。
引用させて頂くと、
「白血病にはさまざまな種類があり、必要な治療法もそれぞれ異なります。年齢や報道されている症状から、池江選手はリンパ性だと予想されます。
リンパ性の場合、最初は『寛解導入療法』と呼ばれる強い抗がん剤治療を行います。それによって、『完全寛解』という骨髄機能が正常に近づく状態を目指します。
パズルやぬり絵をされているということなので、おそらく今の池江選手は熱もなく平穏に過ごされているのだと思います。池江選手が白血病を公表してから3ヶ月がたっています。公表されている情報が少ないのであくまで推測にはなりますが、抗がん剤治療が終わって免疫が回復してきたころかもしれません。
つまり『寛解導入療法』を終えて、次の『地固め療法』へと移行する”はざまの時期”にいるのではないでしょうか。
この時期は白血球の値次第ですが、無菌室から出て1週間ほど一時退院できる場合もあります。ただ『地固め療法』が開始されると、また無菌室に戻ることになるでしょう」
とのこと。
(引用元:『女性自身』5月28日号)
これは先日『FLASH』で証言されていたナビタスクリニック血液内科の久住医師の見解とほぼ一致します。
久住医師も、治療は予定通り進んでいるのだろうと推測、今は次の『地固め療法』の段階ではないかとの証言でした。
明星医師がいうところの”はざまの時期”というのは、久住医師がいうところの”ひとやま超えた段階”の表現と合致もします。
前回は”最新特効薬”の話題を後半しましたが、今回はもう少し現実的で池江選手も実践しているのではないかと思われる、
筋トレ、スクワットについて。
明星医師は今回の記事の中で、
「抗がん剤を投与している期間がきついのは当然なのですが、それ以外にも無菌室に閉じ込められている状況は非常にストレスがたまるんです。
無菌室は基本的に面会謝絶状態。他人と会話もできず、たったひとりです。話し相手がいないと将来への不安や病気による死の恐怖を抱くなど、ネガティブになってしまいがち。患者さんの中にはうつ病を併発してしまう方も珍しくありません。だからこそ、医師や周りの人間がしっかりとメンタルをケアしなければなりません。
池江選手は映画などで上手に息抜きをしているようですが、部屋でスクワットなどの筋トレを行って気分転換をしようとするアスリートの患者さんもいます。『スクワットなんかできるのか?』と思うかもしれませんが、白血病患者は抗がん剤治療中以外は普通の人と同じなんです。むしろ積極的にしていかないといけません。ベッドの上でずっと安静にしていると、筋力が一気に落ちてしまいますからね。ですから、われわれも患者さんには無菌室で筋トレしてもらうよう勧めているんです」
と語っています。
なんだかオリンピックへのプレッシャーを与えるようで、そういうのはどうなのかと素人は思いがちですが、
本人も3月13日のツイートで、
東京オリンピックまであと499日 1日遅れちゃった まだまだ諦めないぞー!!
と意欲を見せていたことを思えば、水泳をあきらめさせる助言をするよりはむしろ、オリンピックという目標を掲げさせ、それを目指すという意欲でもって治療に臨むというほうが現実的なのかもしれないと思い始めました。
実際のところ、池江選手が出場できる可能性というのはどの程度あるのかというと、
水泳協会の関係者の話によれば、
東京五輪の代表選手になるには、2回のチャンスがあります。まずは、今年7月に開催される世界選手権の個人種目で金メダルを獲得すること。
もしくは、来年4月に行われる日本選手権で好成績を残すことです。
というのです。
現状から今年7月の世界選手権出場は難しいでしょうが、来年4月の日本選手権に出場できる可能性はゼロではないとのこと。
もちろん、そこで選考基準以上の成績を収めれば、という条件付きですが。
明星医師は最後にこう述べています。
「検出できないがん細胞を徹底的にたたく『地固め療法』の抗がん剤投与回数は4〜5回。1回あたり約1ヶ月ほどかかります。途中でトラブルもなく順調に治療が進んだ場合は、今年の秋ぐらいにある程度の治療が終わる可能性もあります。そうなれば退院も夢ではありません。
その後は入院生活で落ちた筋力を元どおりに回復させる必要があるでしょう。来年4月の大会に出ることも不可能ではないと思います。池江選手の努力次第ですが、希望を捨てずに頑張ってほしいです」
まさに、水泳やオリンピックというのは池江選手にとっての「希望」なのだと改めて思います。
だとするなら、今は水泳のことなど忘れて、オリンピックのことなど考えず、といった言葉のオンパレードになることは必ずしも本人のモチベーションにつながる発言ではないということになってしまうでしょうか。
これまで水泳のことよりまずは生きてといった語調で応援してしまいましたが、人間にはやはり「生きるよすが」というものが必要 ということです。
とにかく、名もなきガン患者の方々も含め応援しています。
ではまた。
(出典:『女性自身』5月28日号)
こちらも読まれています