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病院の健康診断・検査結果は気にしなくていい!?週刊現代2019

 

 

ころもです。

 

健康診断。

そんな言葉を聞くだけで寿命が縮まるような「きゅっ」と絞られるような気持ちになったことはありませんか。

 

しかし数値に振り回されすぎて病気になっては、まさに本末転倒。

実際、日本高血圧学会は今年にもガイドラインの改訂を予定していますが、そもそも高血圧の基準値なるものがコロコロ変わりすぎることが問題ではないでしょうか。

 

そんなこんなで今回は、ちょっと大胆な「病院の検査結果は気にしなくていい」という興味深い記事を『週刊現代』2019年5月11・18日号よりご紹介します。

 病院の検査結果は気にしなくていい、その根拠とは?

 

◆(基準がない)
高血圧は放っておく

社会福祉法人「同和園」附属診療所長の中村仁一氏の、

 

「……、そもそも検査値のガイドラインで、20代の若者と、80代の高齢者が同じ基準だということ自体がおかしいでしょう」 

 

という言葉は簡潔にして説得力のあるものです。

 

国の調査によれば、日本人の3人に1人が高血圧患者だというではないですか。

そんな馬鹿な…ですよ。

 

サン松本クリニック院長の松本光正氏の、

 

「血圧基準値の度重なる改訂ですが、私に言わせれば、製薬メーカーや御用学者の都合です。たとえば、90年代頃までは血圧の基準値は上が160で下が95でした。

そうなると、上が145の人には投薬できない。だから、基準値を140にしましょうということになった。

日本高血圧学会は今年にもガイドラインの改訂を予定しています。そこで米国のガイドラインに合わせて、『130/80』以上は高血圧ということになれば、国内の高血圧患者数は6300万人に達するとも推測されています。

でも高齢者であれば、慢性的に190や200くらいあったって元気な人はいっぱいいますよ。私が診た患者で95歳で亡くなった男性は、60歳ころから最高血圧が220もありましたからね」 

という、机上ではなく現場の声を聞けば聞くほど、いかに国が患者を作ろうとしているかが透けて見えるよう。

 

さらに松本氏は、

 

「年齢を重ねると、老化で血管が硬くなるのは仕方のないことです。そのぶん、血液を身体の隅々まで送るために、自然と血圧は高くなってくるものなんです」

と言います。

 

「以前は『年齢プラス90以上』が高血圧の基準値でした。60歳なら150、70歳なら160、80歳なら170。

ですが、あくまで目安ですからこの数字に10%プラスしてもまだ誤差の範囲といえます。血圧はストレスや環境、運動などで簡単に変動しますから、70代の方なら検査で一時的に200を超えても何の問題もありません」 

 

つまり、体調にこれといった変化がなければ放置が一番という考え方ですね。

たしかに、それまで何の問題もなく過ごしていたのに、血圧を測ってそれがちょっと高いのを知るだけで、何とも居心地の悪い、どこかしら悪いところがそういえばあったような…と探してしまう自分がいたりというのは、多くの方が経験しているところではないでしょうか。

 

 

◆(病気ではない)
血糖値、コレステロール、中性脂肪は無視でいい

 

血糖値について富山大学名誉教授の浜崎智仁氏は、

 

「米国内科学会は、Ⅱ型糖尿病患者(妊婦以外)のHbA1c(過去1ヶ月〜2ヶ月の平均的な血糖レベルを表す)の目標値は7〜8%の間がいいとしています。ある程度高いほうが死亡率が低いと考えられているからです。

ですが、日本ではまだ7%未満が良いとされている。これは明らかに厳しすぎます」

 と語ります。

 

厳しい血糖コントロールをする結果、とくに高齢者は低血糖となってしまうこともあるというのですから皮肉じゃありませんか。

 

「脳神経が障害を受け意識不明となり、最悪の場合、死に至ります。日本老年医学会では、危険なので高齢者に血糖降下剤を使うのは止めようという話があった。しかし、日本糖尿病学会が猛反対してきて撤回されたのです」

 

これも浜崎氏の言葉です。

なんとも不思議な話ですね。日本糖尿病学会はどうしたいのでしょう。

 

 

次はコレステロールについてですが、

 

これについても浜崎氏は、

 

「じつは、コレステロールが本当に健康に悪影響を与えるかは、証明されていません。むしろ全体の死亡率で見ると、悪玉といわれるLDLコレステロール値が高いほうが死亡率は低いというデータもあります」

 

と語り、また社会福祉法人「同和園」附属診療所帳の中村仁一氏も、

 

「コレステロールは細胞のひとつひとつを包む細胞膜の材料であり、免疫を司っている重要な物質です。むやみに下げればいいというものではありません。また米国政府の食生活ガイドライン諮問委員会は『コレステロールの過剰摂取は健康に影響しない』と発表しています」 

 と語っています。

 

記事では、

コレステロールを下げる薬であり世界一売れている薬と言われている「スタチン」には、筋肉痛、白内障、発がん性や肝障害といった様々な副作用があることを指摘。

 

そんな危険を犯してまでコレステロールを下げる必要はないだろうとも。

 

 

では、脂質異常症の原因とみなされている中性脂肪についてはどうか。

 

東海大学医学部付属東京病院院長、検診センター長の西崎泰弘氏は、

 

「中性脂肪の検査は、直近の食事内容や絶食時間に大きく左右されるので、1回の血液検査の数字に踊らされないことです」

 

といいます。

 

たしかにとんでもない食生活をして信じがたい数値を出すお笑い芸人が、次の検査までにちょっと努力しただけで大きく数値を変えることがありますが、

 

一時的な数値に喜んでいる姿に、毎日続けられるのだろうか、今だけの数値だろうにと馬鹿らしい気分で見ていたことがあります。

 

浜崎氏は「中性脂肪は心筋梗塞とはまったく関係ない」と断言し、禁酒したり、カロリーや糖分を摂りすぎていないかといった、普段の生活習慣を見直すことのほうがよほど健康にいいとも。

 

 

◆(死亡するケースが続出)
内視鏡検査は命にかかわる

 

十二指腸内視鏡(オリンパスが製造)による検査で患者190人以上が「耐性菌」に院内感染していたことが2018年11月に判明、米国では35人が死亡、訴訟が次々と起こっているといいます。

 

米国コロラド大学病院広報課のダン・ウィーバー氏によれば、

「感染者は190人と報道されていますが、実際はその倍以上の患者が感染していると考えられます。内視鏡は何回も繰り返し使うものですが、治療や検査のたびに我々はオリンパスから提供されたクリーニングガイドに従って殺菌を行っていました。しかし、内視鏡の構造上の問題で完全に菌が除去されていなかった。それが耐性菌を生み出してしまったのです」

というのです。

 

加えてこの欠陥を知りながらオリンパスはFDAへの報告を怠っていたというではないですか。それどころか、

 

社内メールで「米医療機関への注意喚起は積極的に行わないよう」支持していたことも明らかになっているというのですから、一体何を信じればいいのかわからなくなります。

 

幸いにも今回欧米で問題となった内視鏡は日本の病院では使用されていなかったとのこと。とはいえ、です。

 

内視鏡の管理や洗浄が雑な病院で、胃がんの検査を受けた結果、胃がんの原因になるピロリ菌に感染するという皮肉な事態も起こりうる

だけでなく、内視鏡検査は、

医師の熟練度によって、がんの早期発見確率も大きく変わる。

とプラーザ南口医療内科クリニック院長の平嶋徹朗氏も証言。 

 

 内視鏡検査のメリットだけでなく、感染症のリスクも増えることをくれぐれも忘れないように。

 

(出典・引用元:『週刊現代』2019年5月11日・18日号)