ころもです。
不倫などではいつもコメントが甘々で全く意見があわないテリー伊藤さん。
けれども今朝の「サンジャポ」での東京オリンピックの話では珍しく意見がほぼ一致。
芸能界からはなかなか聞こえてこない痛快なコメントに溜飲が下がりました。
なにせ、
この「人類VSコロナウイルス」という前人未到の領域で命がけでみんなが闘っている現状で、毎日何百人もの人々が無念の死を遂げているのに、飛んだりはねたり走ったりということで記録を競い合うことに何の意味があるのかと素朴に疑問なのです。
それも一ヶ月にも満たない半月ちょっとのスポーツの祭典のために、本来ならイタリアやイギリスやアメリカのように非常事態宣言が必要なほどの状況になっているかもしれない日本が、浮かれた状態で危機意識のかけらもないと世界に勘違いされているとしたら危機意識の高い人々にしてみたら屈辱的なほどの悔しさを感じます。
これほど中止、あるいは延期を望んでいるのに、関係者たちがこぞって「開催」という発言をし続けるのはもちろん理由があるでしょう。
それを世間が知ることになるのもそう遠くないはず。
今朝の「サンジャポ」を観ていてとにかく今回に限ってはテリー伊藤さんのコメントが秀逸でした。
「…僕はね選手ファーストって言葉があるかもしれないけど、本当はやっぱり、国民ファーストだと思うんですよ。国民が幸せになることが大前提なんですよ。みんなに勇気を与える。勇気を与えられないんだったら、これ意味がないような気がする。選手ファーストじゃなくて、それは選手のエゴですよ。自分が頑張ってきたから。でもそれによって、国民が不幸せになるんだったら、本末転倒になってるみたいな」
平和なときだったらいざしらず、
こと、この国難以上、世界大恐慌になっていく経済のなかで、そして人類存亡の危機にひんしているなかで、なぜに我々はそれまで何の接点もないような選手の、一個人のスポーツ大好きな人々の栄誉や名誉や勲章のために、自分たちの命を危険にさらさなければいけないのかという話です。
おかしいでしょう、単純に。
水際作戦が大事といいながら、武漢が封鎖されてもずっと中国の旅行者を受け入れ、未だに完全な鎖国状態にもしていない。
検査もなるだけさせないようにして、発熱している患者はたらい回し。感染者数が増えないようにするためそうしていることは明らかすぎるうえに、その理由がもしオリンピック開催のためなら、勇気どころの騒ぎじゃない、オリンピックの「せいで」と後世まで語られることでしょう。
誰かが誰かより速く走ったから、それが何?
誰かが誰かより遠くに何かを飛ばしたからってそれがどうした?
大変申し訳ないですが、われわれの生活はそんなことで一ミリも変わらないですよ。平常時でさえ。
それは身内は何かが変わるでしょう。
しかし個人的には本当にどうでもいい。
勇気を与える?
いいえ、勇気なんて自分で生み出せます。
与えるって、おこがましすぎないですか。
何様ですかということになる。
むしろ、今はボイコットをして欲しいぐらいです。
きちんと、自分たちはフェアな試合がしたいということで、完全なる平等さはそもそも望むべくもないことだけれども、これほどにアンフェアな選手の練習環境の違いがあるのに記録を競い合うことにどういう意味があるのかを今一度考えて欲しいと思うし、それを選手自らが口にして国に訴えて欲しいと思ってしまうのです。
それどころじゃないわけですよ、世界は。
非常事態なわけですから。
それは経済のことを考えればどれほど大きなBUSINESSかということはわかります。しかしながら、それを開催にこぎつけるために必要な何も準備出来ない現状がある以上、やはり英断する必要がある。
アスリートファースト、アスリートファーストというけれど、いつから我々国民は観たことも会ったことも友人でも恩人でもない人に対して、自分の命の危険よりその人の功績を称えるための場を優先しなければならない思考を植え付けられてしまったのか。
それこそ不要不急のものと感じるわけです。
開催まであとわずか。
4月になろうとするこの段階で、主要な国はほとんどが国境封鎖状態。渡航禁止、外出禁止、練習どころか買い物すらできない、散歩も許されないような状態で、どうやって観客を呼び、誰も感染したり、させたりすることなく世界最大ともいえる祭典を楽しむことができるというのかということです。
無観客であろうと、肝心の選手たちが命の危険を感じて、危機意識をもって延期を望んでいる状態だし、そういう声もあちらこちらから出ている。
アスリートファーストって何?
アスリートの前に人命、国民の命でしょう。
国民あっての祭典だし、スポーツだし、アスリートのはず。
いつからアスリートファーストのために国民が切り捨てられることになったのか。
優先順位が面白いほどにひっくり返っているのに、そんなことにすら言及できないような空気が日本中に流れている不気味さが一番怖い。
なので、今回のテリーさんの意見は非常に痛快でした。
ではまた。
(出典:サンジャポ 2020.03.22)