ころもです。
海外で規制、あるいは禁止されている食品が日本では堂々と売られ食卓に並んでしまうことがあります。
日本と海外、住む場所は違えど同じ人間であることに変わりはないのにどうしたものか。
「国産だから心配いらないわよ」
そんな言葉が聞こえてきそうですが、日本では食品メーカーや業界への配慮やしがらみが強いため、新たな規制を食品にかけるのが難しいという現状があるといいます。
つまり、国産であるにもかかわらず海外産のものより危険なケースも少なくないというのだから困ったもの。
今回は「海外では規制されている成分が含まれている食品」をご紹介します。
色鮮やかな食品、でもそれって…
『赤色2号』『黄色4号』…
そんな言葉を食品の原材料名で見かけることも多いかと思います。
これら着色料は「タール系色素」と呼ばれていて石油から作られ、洋服の染料としてそもそも使われていたものなので、組み合わせによってたくさんの色が作れるというのですが、諸外国では使用禁止、あるいは制限をかけている国が多いということもまた事実のようです。
それは着色料の「発がん性や染色体異常を引き起こす危険性」が指摘されているから。
発色の美しさは魅力的ですが、それによって病気を引き起こす可能性が高まるなら話はまた別ですね。
海外では禁止、
あるいは制限されている「食品リスト」
〜着色料〜
●名称:赤色2号(赤2)
●使用されている主な食品:冷菓、ゼリー、清涼飲料水、駄菓子
●人体への影響など:発がん性やじんましん、妊娠率の低下などのリスクがあるとして、アメリカでは’76年に使用禁止。EUでも使用制限がかかっている。
●禁止または制限をかけている国や地域:アメリカ、EU
●名称:赤色40号(赤40)
●使用されている主な食品:冷菓、清涼飲料水、ガム、キャンディー、ジャム
●人体への影響など:アレルギーを引き起こす可能性があり、’91年まで日本で使用禁止されていたが、アメリカ・カナダでの圧力で認可された。
●禁止または制限をかけている国や地域:デンマーク、ベルギー、フランス、ドイス、スイス
●名称:赤色102号(赤102)
●使用されている主な食品:紅しょうが、梅干し、ハム、ソーセージ、たらこ
●人体への影響など:子供の注意欠落・多動性障害と関連するとして、ノルウェーとアメリカで禁止に。
●禁止または制限をかけている国や地域:ノルウェー、アメリカ
●名称:赤色104号(赤104)
●使用されている主な食品:和菓子、でんぶ、ソーセージ
●人体への影響など:発がん性や染色体異常のリスクがあるとして、アメリカでは使用が禁止されている。
●禁止または制限をかけている国や地域:アメリカ
●名称:黄色4号(黄4)
●使用されている主な食品:たくあんの漬物、数の子、焼き菓子、ジュース、和菓子、佃煮
●人体への影響など:じんましん、下痢、染色体異常を引き起こす可能性。子供の注意欠落・多動性障害と関連するとして、’09年にイギリスはメーカーに自主規制を勧告。
●禁止または制限をかけている国や地域:ノルウェー、オーストリア、イギリス
〜クロロプロパノール類〜
●名称:クロロプロパノール(たんぱく加水分解物)
●使用されている主な食品:醤油、インスタントラーメン、ソーセージ
●人体への影響など:添加物ではなく、商品の製造過程でできる副産物。発がん性があるとされ、EUでは’01年に醤油中の含有量を規制。日本では低減化を目指し、農水省が指導を行うが明確な規制はない。
●禁止または制限をかけている国や地域:アメリカ、EU、オーストラリア、カナダ、マレーシア、タイ、中国
〜脂肪〜
●名称:トランス脂肪酸
●使用されている主な食品:ショートニングやマーガリンを使用したパンや菓子、植物油
●人体への影響など:心筋梗塞、脳卒中など循環器系疾患、認知症などのリスクがあると報告されている。アメリカでは今年6月、トランス脂肪酸を多く含む油脂の使用を原則禁止。
●禁止または制限をかけている国や地域:台湾、アメリカ、カナダ、デンマーク、オーストリア、イギリス、インド、スイス
〜4−メチルイミダゾール〜
●名称:4-メチルイミダゾール(カラメル色素)
●使用されている主な食品:コーラ飲料
●人体への影響など:発がん性があるとされ、アメリカのカリフォルニア州では基準値以上を含む場合、「発がん物質が含まれている」と表示を義務化。
●禁止または制限をかけている国や地域:アメリカ
〜保存料〜
●名称:デヒドロ酢酸ナトリウム
●使用されている主な食品:チーズ、バター、マーガリン
●人体への影響など:アレルギーや嘔吐、肝機能障害を引き起こす可能性があるとして、アメリカではかぼちゃ以外に使用できない。
●禁止または制限をかけている国や地域:アメリカ
●名称:ナイシン
●使用されている主な食品:ソース、食肉製品、チーズ、ドレッシング
●人体への影響など:本来は抗菌剤として使用される薬剤。日本では約10年前に使用が認められたうえ、チーズ以外の多くの食品にも使用されている。
●禁止または制限をかけている国や地域:EU
〜加工デンプン(増粘剤)〜
●名称:ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン
●使用されている主な食品:プレスハム、スイートコーンの缶詰、ベビーフード
●人体への影響など:安全性が十分に確認されていないとして、EUでは乳幼児対象の製品への使用を禁じている。
●禁止または制限をかけている国や地域:EU
〜小麦粉処理剤〜
●名称:臭素酸カリウム
●使用されている主な食品:パン
●人体への影響など:発がん性があることが確認され、世界各国で使用が禁止されている。日本では使用が自粛されているが、厚労省は正式には使用を禁止していない。
●禁止または制限をかけている国や地域:中国、EU、イギリス、カナダ
〜漂白剤〜
●名称:過酸化水素
●使用されている主な食品:数の子
●人体への影響など:’70年代に各国で使用されたが、発がん性などのリスクがあるとして殆ど使われていない。日本は数の子など一部食品への使用のみ認められている。
●禁止または制限をかけている国や地域:EU
〜肥育ホルモン剤〜
●名称:17β-エストラジオール
●使用されている主な食品:オーストラリア、アメリカから輸入した肉類
●人体への影響など:遺伝子の突然変異がきっかけで発がんする懸念があるとしてEUでは自国の牛肉への使用禁止。
●禁止または制限をかけている国や地域:EU
●名称:プロゲステロン
●使用されている主な食品:オーストラリア、アメリカから輸入した肉類
●人体への影響など:安全性を担保するためのデータが不十分であり、健康に影響する可能性を否定できないとして、EUでは自国の牛肉への使用禁止。
●禁止または制限をかけている国や地域:EU
●名称:テストステロン
●使用されている主な食品:オーストラリア、アメリカから輸入した肉類
●人体への影響など:安全性を担保するためのデータが不十分であり、健康に影響する可能性を否定できないとして、EUでは自国の牛肉への使用禁止。
●禁止または制限をかけている国や地域:EU
●名称:酢酸トレンボロン
●使用されている主な食品:オーストラリア、アメリカから輸入した肉類
●人体への影響など:安全性を担保するためのデータが不十分であり、健康に影響する可能性を否定できないとして、EUでは自国の牛肉への使用禁止。
●禁止または制限をかけている国や地域:EU
●名称:酢酸メレンゲステロール
●使用されている主な食品:オーストラリア、アメリカから輸入した肉類
●人体への影響など:安全性を担保するためのデータが不十分であり、健康に影響する可能性を否定できないとして、EUでは自国の牛肉への使用禁止。
●禁止または制限をかけている国や地域:EU
●名称:ゼラノール
●使用されている主な食品:オーストラリア、アメリカから輸入した肉類
●人体への影響など:安全性を担保するためのデータが不十分であり、健康に影響する可能性を否定できないとして、EUでは自国の牛肉への使用禁止。
●禁止または制限をかけている国や地域:EU
●名称:ラクトパミン
●使用されている主な食品:オーストラリア、アメリカから輸入した肉類
●人体への影響など:安全性を担保するためのデータが不十分であり、健康に影響する可能性を否定できないとして、EUでは自国の牛肉への使用禁止。
●禁止または制限をかけている国や地域:EU
※識者への取材をもとに「女性セブン」が作成。「主な食品」として挙げたものすべてに該当の成分が含まれているわけではない。
海外で禁止している食品が日本では普通に食卓にあがっている怖さ。
意識を高く持つということは、いい意味で「これは何で作られているのか」に関心を持ち続け、面倒でも必ず原材料の表示を確認する労をいとわないこと。
色が綺麗すぎる、鮮やか過ぎる、そんなちょっとした違和感を抱いたときには原材料を確認することを忘れないように。
ではまた。
(出典・参考:『女性セブン』2018年11月29日号)