肌の調子がいまいち。
そんな方、化粧品を選ぶときに何を重視していますか。
CMタレントの好き嫌い、あるいはイメージ、値段、デザイン、香り、成分…
まさに人それぞれだと思います。
美容化学者いわく、
「…前略、僕が消費者の皆さんにお勧めしているのは、成分表示は配合量の多い順に記載されているので、その上位成分に特に注目して化粧品を選ぶという方法です」
とのこと。
何をするにしろ、その土台は皮膚。
だから頑張って洗顔しているのよ、という消費者も多いでしょうが、その洗顔こそが肌に悪影響を与えてしまっているとしたら怖いですね。
スキンケア本来の役割は「肌のバリア機能を補強」すること
「界面活性剤」という言葉をご存知でしょうか。
水と油を仲良くさせる、洗浄剤のイメージが強いこの成分は使い続けると肌への負担となって肌荒れや乾燥肌、敏感肌の原因になるといいます。
界面活性剤には害があるものとそうでないものがあり、それを素人が区別することは至難の業なので、先述した美容化学者は「配合量の多い順から成分表示に記載されているからその上位成分に注目して化粧品を選ぶ」という方法を勧めているわけですね。
そして、
「表記上もっともわかりやすいのは『石けん素地』とあるもの。そこから『石けん素地』と『カリ石けん素地』とに表記が分かれると、減量に水酸化ナトリウムを使用しているか、水酸化カリウムを使用しているかの違いがある。カリ石けん素地は水に溶けやすいので液体やペーストの石けんに用いられていて通常の石けん素地は固形石けん。『カリ含有石けん素地』というものもあり、これは両者の混合タイプです」
と説明しています。
わかりにくいのは「石けん素地」と書いていない場合。
なにせ石けん成分の総称の通称、総称の正式名称、さらにはその原料を表記するなど、さまざまな表記方法が存在しているので非常にややこしい。
そこで今回は、美容化学者の話がわかりやすく表にされているので、自身が普段使っている洗顔料やクレンジング剤の成分表示と照らし合わせるためにも紹介させて頂きます。
メーカーの多くは「心地いい言葉」で消費者を誘惑する!?
残念ながら、行政は「どうしたら安全な化粧品を作ることができるのか、どの成分が安全で、どの成分が危険なのかといった指導をメーカーに全くしていない」のだというのです。
正式に成分の説明をまとめたり管理したりする組織がないというのだから困ったもの。
〜 洗浄剤の洗浄力 早見表 〜
●洗浄剤の分類:固形石鹸(石けん素地)
・界面活性剤の名称:ラウリン酸Na、ミリスチン酸Na、バルミチン酸Na、ステアリン酸Na、オレイン酸Na
・洗浄力:強〜やや強
●洗浄剤の分類:主に液体石けん(カリ石けん素地)
・界面活性剤の名称:ラウリン酸K、ミリスチン酸K、バルミチン酸K、ステアリン酸K、オレイン酸K
・洗浄力:強〜やや強
●洗浄剤の分類:硫酸系
・界面活性剤の名称:ラウリル硫酸Na、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸TEA、ココアルキル硫酸Na、
・洗浄力:とても強い
・界面活性剤の名称:ラウレス硫酸Na、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸TEA
・洗浄力:強
●洗浄剤の分類:スルホン酸系
・界面活性剤の名称:ドデシルベンゼンスルホン酸Na、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na、オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
・洗浄力:強
●洗浄剤の分類:スルホコハク系
・界面活性剤の名称:スルホコハク酸ラウレス-2Na、スルホコハク酸パレス-2Na
・洗浄力:やや強
●洗浄剤の分類:エーテルカルボン酸系
・界面活性剤の名称:ラウレス-5酢酸Na、ラウレス-4カルボン酸Na
・洗浄力:中
●洗浄剤の分類:イセチオン酸系
・界面活性剤の名称:ココイルイセチオン酸Na
・洗浄力:やや強
●洗浄剤の分類:タウリン系
・界面活性剤の名称:ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa
・洗浄力:中〜やや強
●洗浄剤の分類:アミノ酸系
・界面活性剤の名称:ラウロイルサルコシンNa、ココイルサルコシンTEA
・洗浄力:やや強
・界面活性剤の名称:ラウロイルアスパラギン酸Na、ココイルアスパラギン酸TEA
・洗浄力:中
・界面活性剤の名称:ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルアラニンTEA
・洗浄力:やや弱
・界面活性剤の名称:ラウロイルグルタミン酸Na、ラウロイルグルタミン酸TEA
・洗浄力:弱
・界面活性剤の名称:ココイルグリシンK
・洗浄力:やや強(アルカリの場合)
毎日の洗顔が間違っていたら、それこそ高いお金を払って真逆のことをしていることにもなりかねない。
保険と洗顔は、常に見直しする必要がありそうです。
ではまた。
(参考・引用元:『週刊新潮』2018年9月20日号より)