ころもです。
ボルトの現役引退最後の闘いは、3位で終わりました。
優勝はジャスティン・ガトリン。35歳。
ゴール間近になっても誰が1位なのかわからない混み具合で、思わず、
「ボルトはどこ!!」
と叫んでいました。
それほど接戦だったし、ボルトは埋もれてしまっていた。
勝負の世界、それも100mの容赦ない厳しさを味わった瞬間でもありました。
ガトリン優勝にゴール後、ブーイングの嵐
接戦の末、ガトリンが優勝。
けれどトラックに響きわたるブーイングの嵐。
なんでお前が勝つんだ、とでもいいたいのか。忖度しろよ、ラストランなんだから、ということなのか、あまり気持ちのいいものではなかったです。
ボルトは精一杯走り、そして負けた。
ガトリンもまた精一杯走り、そして勝った。
結果がすべての世界で結果を出した。それもみんなの見ている前で。
悔しいけれど、3連覇させてあげたかったけれど、
「この走りに納得して引退したい」
と語ったボルトの言葉がある以上、結果を受け止めて感謝の気持ちで終わりたい。
勝負の世界の厳しさを教えてくれた、ボルトのラストラン。
実はスタート前に結果を予想させる”ある異変”を察知していた
世界陸上を毎回見ているので、スタート前のボルトのわずかな異変に実は不安を覚えていました。
一人一人選手をアップにして紹介するときに見せる表情。
ボルトはゴールドのネックレスをランニングの中にしまうのだけれど、そのしまい方にまったく余裕がなく、うまくしまい切れなかった。
パフォーマンスが‥‥ない‥‥。
お茶目なボルト、ウインクするボルト、そんな走りには関係ない余白が全く見られなかった。
さすがに緊張してるのか、大丈夫かな。
一抹の不安を抱えながらスタートを待ち、その9秒95後に、ボルトの敗北を味わうことに。
些細なことだけれど、やはりそういうことだったのかな。
3連覇という結果で終わっても伝説になるけれど、ころもとしては、あのボルトの敗れていく姿にこそ、彼が本物の偉人として語られる意味があると感じたもの。
ガトリンは過去に2度、ドーピング検査が陽性反応を示したために保持していた世界タイ記録を抹消された歴史があります。2006年のこと。
出場期間停止が解除されたのはそれから4年後の2010年。
もう這い上がってくることは難しいと思われてきたのに、地道にのしあがり、4年前の2013年の世界陸上モスクワ大会では9秒85で銀メダル。
2015年にはカタールのスーパーグランプリ男子100m決勝で9秒74を出し、自己新記録を更新。
そして今回の世界陸上でボルトを破っての優勝です。
立派です。
祈るは、絶対にドーピングでのちに剥奪なんてことがありませんようにということ。
長年の宿敵であるボルトを最後の最後にとらえ、破ったガトリンにも、ボルトと同じぐらいの光と拍手を送りたいです。
ころもでした。