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西洋医学のプロ・名医が本当に飲んでる「漢方薬」はこれだ!

 

 

ころもです。

 

酷暑続きで体調不良という方も多いのじゃないでしょうか。

どう考えても体温以上の外気温続きでは、具合が悪いどころか「命の危険」を感じてしまうし、事実大変多くの方が熱中症により救急搬送され、無念にも命を落としています。

 

健康を維持するというのは、あらゆることがバランスよく整ってはじめて成立するものなんだなということを改めて実感しますね。

 

さて、今回は患者に薬を処方する側の医師、名医たちが飲んでいる漢方薬を(8月3日号の『週刊ポスト』から)ご紹介していきたいと思います。

 患者に漢方を処方したことがある医師は89%!

 

 

清水整形外科クリニック院長

 清水伸一(整形外科)医師の場合

 

仕事柄、下を向いてカルテを書くことが多く、首が痛くなることが多い。以前は消炎鎮痛剤のロキソニンを飲んでいましたが、副作用である胃部の不快感が出てしまう。そこでツムラの医療用漢方製剤の葛根湯と通導散を朝晩の1日2回、食事の30分前に飲むようにしたところ、激しい痛みは出ることが少なくなりました。漢方で痛みが収まらない時だけ加えてロキソニンを飲むようにしています。

 

 首が痛い時に:葛根湯通導散(カッコントウとツウドウサン)

 

他に清水医師が頼っている漢方

◎補中益気湯+葛根湯

 寒気やのどの痛みなど、風邪の症状が軽い時に

◎補中益気湯+麻黄湯

 風邪の症状が重い時に抗生剤などと併用する

◎芍薬甘草湯

 就寝中にこむら返りが起きた後に数日飲む

◎半夏瀉心湯+黄連解毒湯

 お酒を飲む前に二日酔い対策として飲む

◎五苓散

 お酒を飲んだ後に二日酔い対策として飲む

◎葛根湯+通導散

 首が重い時に。激しく痛む時は鎮痛剤を併用

◎防已黄耆湯

 膝が腫れて痛む時に鎮痛剤と併用していた

 

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愛知医科大学客員教授。日本内科学会認定内科医、循環器専門医

 渡辺尚彦(循環器内科)医師の場合

 

二日酔いで頭痛や吐気を覚えた時は呉茱萸湯を飲んでいます。同じ症状に効くイブプロフェンなどの西洋医学の薬だと胃が荒れてしまうこともありますが、漢方薬ではそういった心配がないのがメリットです。一般的に漢方は即効性があまりないとされていますが、この呉茱萸湯については、症状が出た時に飲んで早めに効果を実感できるという、頓服的な服用ができるのが特徴です

 

 二日酔いの頭痛や吐気に:呉茱萸湯(ゴシュユトウ)

 

他に渡辺医師が頼っている漢方

 ◎呉茱萸湯

 二日酔いに伴う頭痛や吐き気などの症状が出た時に服用

◎麦門冬湯

 咳が出る時に飲む

◎六君子湯

 食欲がなかったり、胃が疲れていると感じたりした時に服用。とりわけ夏バテが酷い時に効果を実感

 

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東京都リハビリテーション病院副院長。日本泌尿器科学会専門医

 鈴木康之(泌尿器科)医師の場合

 

これからの季節に重宝するのは、胃腸の消化・吸収昨日を整えてくれる補中益気湯です。倦怠感や夏バテによる食欲不振などの時に飲んでいます。この補中益気湯は患者に対して処方することも少なくありません。泌尿系のガンの術後回復を補う効果や抗がん剤の副作用を抑える効果を期待して処方する。効果がエビデンスレベルの高いデータで裏付けられているわけではありませんが、患者からは症状が改善したと喜ばれています。

 

 夏バテや食欲不振に:補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

 

他に鈴木医師が頼っている漢方

 ◎葛根湯

 風邪気味の時に。症状が酷くなったら処方薬と併用する

◎補中益気湯

 倦怠感を覚えたり、夏バテによる食欲不振などの時に飲んでいる

◎抑肝散

 ストレスが溜まった時に使用。向精神薬と違って服用を止めた際に不眠に陥るなどのリスクがないのがメリット

 

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笠井耳鼻咽喉科クリニック院長。日本耳鼻咽喉科学会専門医。

 笠井 創(耳鼻咽喉科)医師の場合

 

風邪の初期で鼻づまりの症状が強ければ、葛根湯加川芎辛夷を朝昼晩、1日3回飲むようにしています。苦くないので飲みやすい漢方です。大抵は一度飲むだけで症状が和らぎ始めますが、1〜2日で効果が感じられなければ、抗生物質などに切り替えます。

 

 鼻づまりには:葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)

 

他に笠井医師が頼っている漢方

◎葛根湯

風邪の初期に。長引けば抗生剤などに切り替える

◎葛根湯加川芎辛夷

 風邪を引いて、鼻づまりの症状が強い時に

◎辛夷清肺湯

 長引く風邪で鼻水が喉に回ってきた時に

◎荊芥連翹湯

 長引く風邪で膿のような鼻水が続く時に

◎麦門冬湯

 長引く風邪で痰が喉に絡むような時に飲む

◎芍薬甘草湯

 腰の椎間板ヘルニアで消炎鎮痛剤と併用した

 

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長尾クリニック院長。「日本尊厳死協会」副理事長・関西支部長などを兼務。

 長尾和宏(内科)医師の場合

 

風邪にかかったかな、と思った時にはまず葛根湯を飲みます。そしてウォーキングなどで少し汗をかいて風呂に入る。翌日に症状が残っていれば、今度は小青竜湯を飲みます。殆どの場合、これだけで症状が治まります。この2つの漢方薬には発汗・解熱、体内の水分代謝を促す作用がある。常に手元にストックを置き、在宅患者やご家族が鼻を啜っていたりした時はお渡しするようにしています。年配の人には麻黄附子細辛湯を勧めていますね。

 

 風邪気味の時に:葛根湯と小青竜湯(カッコントウとショウセイリュウトウ)

 

他に長尾医師が頼っている漢方

 ◎葛根湯

 風邪の引き始めに服用

◎小青竜湯

 鼻水が出始めたら飲む

◎麻黄附子細辛湯

 鼻がグズグズするなど風邪の初期症状に服用

◎半夏厚朴湯

 喉のつかえを感じた時に

 

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神奈川歯科大学附属病院認知症・高齢者総合内科教授。日本認知症学会専門医。

 眞鍋雄太(認知症・高齢者内科)医師の場合

 

30代後半になってから、深酒をした後に制吐剤を飲んでも翌日に残るようになった。そこで併せてクラシエ薬品の五苓散の錠剤を飲んだところ、顔や手指のむくみが取れるようになりました。40代になってからは、お酒を飲む前にも五苓散を飲み、飲酒後には制吐剤や五苓散とともにツムラの黄連解毒湯の顆粒を飲むようにしています。そうすると翌日の午前中には回復しているんです。

 

 深酒した日は:五苓散と黄連解毒湯(ゴレイサンとオウレンゲドクトウ)

 

他に眞鍋医師が頼っている漢方

◎五苓散

 二日酔い予防のために飲酒前と飲酒後に飲む

◎黄連解毒湯

 二日酔い対策で飲酒後に制吐剤と併用

◎麻黄湯

 風邪の時に総合感冒剤や消炎鎮痛剤と併用

 

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上福岡総合病院名誉院長。日本外科学会認定医。

 喜多村陽一(消化器外科)医師の場合

 

よく飲んでいる漢方薬は芍薬甘草湯です。私は寝相が悪くて足を布団の外に出して寝てしまうことがよくある。そうすると足先から冷えて血流が悪くなり、足がつってしまうのです。芍薬甘草湯は筋肉のけいれんを緩和する作用があり、効果を実感できています。風邪に対して使われる葛根湯は、炎症を鎮める効果もある。風邪以外にも肩こり、気管支炎にも効果があるので重宝しています。漢方薬は副作用が少ないので使い勝手がいい。ただし飲む量や使い方を間違えるとかえって体調を崩してしまうこともあるので、医師などの指示に従って飲むことが大切です。

 

 肩こりと気管支炎に:葛根湯(カッコントウ)

 

他に喜多村医師が頼っている漢方

 ◎芍薬甘草湯

 夜中に足がつるような症状が出た時に

◎葛根湯

 肩こりや気管支炎などの症状が出た時に

 

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くどうちあき脳神経外科クリニック院長。日本脳神経外科学会専門医。

 工藤千秋(脳神経外科)医師の場合

 

私は30年ほど前から漢方薬を使っています。脳外科の手術は10時間以上に及ぶ場合が多く、立ちっぱなしなので手術が終わると足がむくんだり、筋肉痛になったりする。西洋医学の薬で対処しようとすると、鎮痛剤のボルタレンやロキソニンは胃痛などの副作用があるし、むくみを改善する他の処方薬にも頻尿や血圧の低下などの副作用があります。そのため、副作用の少ない漢方薬の五苓散や芍薬甘草湯で症状を緩和させるようになりました。仕事の前にイライラが募ってしまった時は、落ち着いた状態で患者の前に出るために抑肝散を飲みます。夏バテ気味で食欲が亡くなった時に飲む抑肝散加陳皮半夏も、効果を実感しています。

 

 足のむくみに:五苓散と芍薬甘草湯(ゴレイサンとシャクヤクカンゾウトウ)

 

他に工藤医師が頼っている漢方

 ◎五苓散

 足のむくみ改善のために使用

◎芍薬甘草湯

 筋肉痛やこむら返りが起きたときに飲む

◎抑肝散

 イライラして気分が落ち着かない時に

◎抑肝散加陳皮半夏

 気分が落ち込んでいたり、食欲不振の時に

 

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昭和大学横浜市北部病院循環器センター教授。心臓血管外科専門医。

 南淵明宏(心臓外科医)医師の場合

 

私自身、風邪を引いて咳がひどく出るなど「症状が気管に強く出ているな」と感じるときには小青竜湯を飲んでいます。西洋医学の風邪薬の場合、飲んだ後に眠くなったりするものもありますが、この漢方薬は私に合っているのか、そうした副作用がなく咳が止まります。実は、心臓外科医として漢方を処方することも少なからずあります。たとえば「心臓がどきどきして夜寝付けない」という患者に対して抑肝散を処方することがある。結果、動機が抑えられ、眠れるようになったと感謝されるケースがあります。ただし、3か月間飲んでみて効果が実感できなければ、だらだらと飲み続けるのではなく服用を中止したほうがいいでしょう。

 

 咳がひどい時にはまず:小青竜湯を飲む(ショウセイリュウトウ)

 

他に南渕医師が頼っている漢方

 ◎小青竜湯

 風邪の症状で、咳がひどく出る時に飲んでいる

 

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スマイル眼科クリニック院長。緑内障や前眼部疾患、アレルギー性疾患専門。日本眼科学会会員。

 岡野 敬(眼科)医師の場合

 

なかなか寝付けない夜に使っているのが酸棗仁湯です。比較的即効性がある漢方薬で、1日1回、寝る前に1〜2包飲むだけで自然な眠りに入れます。入眠障害や途中覚醒、早朝覚醒など不眠症のすべての症状に対応しているのも特徴です。深い眠りを得られるので、飲んだ翌朝の目覚めは非常に良い。睡眠導入剤と違い副作用もほとんどありません。また、重要な会議や学会発表の前などに気持ちを落ち着かせるためによく飲んでいるのが半夏厚朴湯です。脈拍などを整える作用があります。そのため不整脈や動悸の改善、さらにストレス軽減やあがり症予防などに効果があり、飲んで数分もすると感情の昂ぶりがおさまり、心が平坦になっていくのを実感しています。

 

 暑くて眠れない夜は:酸棗仁湯(サンソウニントウ)

 

他に岡野医師が頼っている漢方

 ◎酸棗仁湯

 夜寝付けない時、就寝前に服用している

◎半夏厚朴湯

 ストレスや緊張を感じた時に飲んで気持ちを落ち着かせる効果を得ている

◎五苓散

 悪酔い、二日酔い防止のため飲酒前に飲む

 

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かとうクリニック院長。

 加藤一彦(消化器外科)医師の場合

 

学生時代から漢方薬には馴染みがあって、ストレスで胃がキリキリ痛んだりすると安中散を使っていました。普段自分で使っている漢方薬は風邪薬が多い。風邪の初期症状でお腹が緩い時は葛根湯、鼻水が出る時は小青竜湯、咳が出始めたら五虎湯や麦門冬湯といった具合に、症状によって使い分けています。近年、漢方薬の研究でわかってきているのは、生薬が腸内細菌のはたらきによって有効成分に変わって大腸から吸収されるということです。大腸から徐々に体内に巡っていくから、飲み続ければ体の免疫力が高くなると言われている。

 

 胃がキリキリする時には:安中散(アンチュウサン)

 

他に加藤医師が頼っている漢方

 ◎安中散

 胃痛や胸やけ、吐き気、食欲不振などの時に

◎六君子湯

 倦怠感、食欲不振、胃もたれ、みぞおちのつかえなどがある時に飲む

◎葛根湯

 風邪の引き始めに飲む

◎小青竜湯

 鼻水が出始めたら飲む

◎五虎湯

 咳が出始めたら飲む

◎麦門冬湯

 咳が出始めたら飲む

 

 

いかがでしょうか。

以上、11名の名医が実際に飲んでいる漢方薬になります。

 

かなり参考になりますね。

共通しているものが幾つかありますが、なかでも「葛根湯」はほぼ全員じゃないかというほどに飲まれているのですね。

 

また風邪の細かな段階にキチンと合わせて飲み分けているのも勉強になりました。

 

ぜひ、参考にされて下さい。

ではまた。

 

(出典元:『週刊ポスト』2018年8月3日号)

 

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