毒舌ころも

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コロナで喧嘩しない!心理療法士が説く穏やかな家の過ごし方

 

 

ころもです。

 

 

自分がでもなく日本がでもなく、世界が、人類が、未知の領域に入ってきました。

それが偽らざる現状と思うのですが、皆さんはどんな毎日を、どんな心持ちで過ごしているでしょうか。

 

いつもと違う日常、いつもと違う時間の過ごし方、プレッシャーに押しつぶされそうになっているという方も多いかもしれません。

 

いつもなら自分で自由になる時間や空間が、外出禁止、自宅待機、あるいはテレワーク、子供も休校などさまざまな不測の事態によって縮小されイライラが起こり、ちょっとしたことで家族との言い争い、喧嘩などが勃発してないでしょうか。

 

今回はそんなあなたに「ちょっとだけヒントになるかもしれない」話題をお届けします。

 

心理療法士が語る、秘訣とは……

 

心理療法士のコンスタンチン・オリホヴォイ氏は「非常時に共にいる人間と神経をすり減らさずに平和に暮らすにはどうしたらいいか」というSputnikの取材に際し、

 

「全体がこういう状況にある時は心の免疫はみんな等しく落ちています」 

 と諭します。

 

なんだかホッとしませんか。

みんなそうなんだ…、誰だってこういう状況下では心の免疫は落ちてしまうんだと。

 

さらに、

「当然のことながらどんな人も大したこともないことで気を悪くしたり、イライラしやすいですし、パニックにおちいる、驚きやすくなる、ささいなことでいざこざを起こすことはよくありますが、これは私たちにも一つの空間で共に暮らしている近しい人たちにもある客観的な事実なのです」

この客観的な事実、という部分が大事ですね。


自分だけじゃない、誰もがこういう状況下では等しく感じる感情なんだということを知るだけでも、だいぶ心が落ち着くのじゃないでしょうか。

 

 

悪もの探しをやめる

 

「大雪になった、大嵐、地震になったとしたら、それに対して何もできないでしょう。それと同じでコロナウイルスによる検疫は全世界で政府の決定で行われていることで、これに自力で抗うことは不可能。なんでこうなるんだと思わないようにしましょう。これは季節の巡りのように、変えようのない状態なんだと自分に言い聞かせたら、気が楽になります。」

 男女問わず、国籍問わず、職業も問わず、人種も超えて誰に忖度することもなく感染し続けていくウイルス。

不可抗力のことに「なぜ、どうして」と問いかけてもエネルギーの無駄遣いになってしまいます。

季節が変わるたびに「なぜ季節は変わる?」と首を捻ることがないのと同様に、また、不意に襲ってくる災害に「私があのときこうしていればこの災害はこなかったかもしれない」と考えることに意味がないように、いい意味で抵抗できないものに無駄に立ち向かわないことが前向きに生きるために必要な姿勢、解釈ということなのだと思います。

 

 

トゲトゲした気持ちをなだめる

 

「真実を証明したい、自説が正しいことを誰かに伝えたいという欲求は先送りにします。その分のエネルギー仕事や体を動かすことに振り分け、頭の中ではどんな激しい議論も後回しにしようと繰り返す。今、これを行っても非生産的でスキャンダルを起こすだけですから」

何が効く、誰から誰へうつる、などなど未知のウイルスに対して「これこそ真実」といわんばかりに口角泡を飛ばし力説したがる人も少なくありません。

 

けれども、今大事なことは誰かをつかまえて議論し心が疲弊することじゃなく、もっと生産的なことでストレスを発散することではないでしょうか。

 

議論しても専門家ですらその完全なる正体を暴けていないのですから、ただ消耗し、傷つけ合うだけになってしまう。

 

心理療法士のオリホヴォイ氏も、ストレスがいかに内分泌器や免疫システムに大きく影響するかを語っています。

 

「スキャンダル、ヒステリーを起こし、心配で悩むと免疫にいいことはありません。ご自分と近しい人たちの免疫を大事にしてあげましょう」

議論をたたかわせて自分はストレス発散になったとしても、それによってストレスが増加し、相手は免疫力を下げてしまうこともある。

 

しかけない、しかけにのらないということも大事。

 

 

新しい習慣を始める

 

「たいていの人には外でのスイッチオフを図るための場所があります。心理療法でトライアングレーションといわれるもので、3種の動作が数えられます」

それは、

職場、店、友人宅を訪問の3つ、とのこと。 

 

しかし外出禁止状態ではこれらの動作ができずストレスが増してしまう。なので新しい動作を考えることが重要です。

 

「家事に取り組んでみましょう。壁を塗り替える。今までにやったことのない新しいレシピでパイを焼くとか。コンピューターやテレビにかじりつくのはダメです」

時間ができたら、連休になったら、GWになったら、落ち着いたら……

そうやって先延ばしにしてきたことはないでしょうか。

 

それらを始めるのに最適なのは、もしかしたらこの緊急事態である「今このとき」かもしれません。

 

受け身のテレビ視聴は平常時でもできるし、多くの時間がなくてもとぎれとぎれでも観ることができるし、今である必然性などほとんど感じられない。

 

しかし不意に訪れたこの休暇、余暇に「時間ができたらやりたいと思っていたこと」で家庭内で出来ることがあるなら、それをやらないでいるのは物心両面でもったいない。

 

何より、

 

感染者数やトイレットペーパーを奪い合う映像をじっとテレビの前で視聴するよりは、ずっと建設的だし健全。

 

何も思い浮かばないとしたら、さらのノートがないか探してみてください。

もしあったら、そこに今の素直な気持ちを書いて自分を客観的に見てみる作業に入るのも面白いでしょう。

 

そして、十年後の自分になってみるのです。

 

その時の自分は今の自分を見て何を思うかを考える。

 

10年後に自分は何を後悔しているかを想像して書き出す。

 

うんざりする気の重い作業に思えるかもしれませんが、その内容を後悔のないものに切り替えることのできる「10年前の今」に自分は生きていることを思い出すのです。

 

十年後の自分の後悔を、十年前である今を生きている自分は「することができる」「やることができる」「言うことができる」この気付きはとんでもなく価値のある作業となります。

 

心理療法士のオリホヴォイ氏も一番大事なこととして、

「なんといっても一番大事なこと!こうした状況で人間は死の恐怖を口にしがちですが、本当に怖いのは死ではなく、人間らしさを失うことです。いいですか。検疫期間はいつかは必ず終わるんです。でも近しい人との人間関係はこれからも続いていくことをお忘れなく」

と語っています。

 

すべてに意味があるのなら、未知のウイルスに対して出来る準備、人事を尽くしたのなら、あとは天命にまかせて「人間らしさ」を失うことのないような建設的な考えや時間の使い方で今を埋め尽くしていきたいもの。

 

「未知なる脅威の終わり」がいつになるか今は不明でも、そのときは必ずくると信じています。なので、それが明けてからの自分の姿に今からたくさんの養分を与える準備をしていくことをおすすめします。

 

たった一つの言葉、一行の文章、素直な感情の吐露、

 

何気なく書き記していくノート一冊がのちの人生を救うこともあります。

 

今回はまじめでしたね。

 

ではまた。

 


(出典:Sputnik 2020.03.19)