ころもです。
もはや狂気の沙汰ですね。
椎名林檎さん率いる東京事変の強行ライブ。
倒産、破産の懸念を抱えつつ、それでも人命優先と苦渋の決断で各種イベント、コンサート、ありとあらゆる催事が中止や延期の決断を下し、今が正念場と全力で感染拡大ピークの時期をずらそうと必死なのに、
これほど身勝手なライブ・コンサートを決行、それも全国ツアーをこれからも続けるなど完全に「感染拡大ツアー」と揶揄されて当然です。
こだわりのある人間の一番駄目な部分が出てしまったとしかいいようがない今回の想像力欠如の強行ライブ。
メガロポリス東京の玄関口である東京駅の近く、東京国際フォーラムで週末2日間(2/29,3/1)連続してライブを行うということがどれほど感染者を増やすことになる「可能性」にあふれた行為であるか。
なぜ理解できない!?
ウィルスが好む条件に満ち満ちたライブ会場はまさに感染の温床そのもの。
”フランスでは動かない絵画”を鑑賞するだけのルーブル美術館ですら休館という危機意識の高さ。
さらには、
人間活動の最たる部分といっていい「生きるために食べる」子ども食堂ですら感染の危険性を考え苦渋の決断と涙を流しながら閉鎖していく所もあるなかで、
ライブじゃなくとも音源を聴くことができる、もっと言えば、生きるために「無くてはならない」ものとは言い難い贅沢品、嗜好品といってもいい、延期も取り返しもつくライブ・コンサートだというのに、政府の自粛要請も無視、自分たちさえ良ければいいという究極の身勝手さ丸出しでまだ全国に蔓延していない地域にも拡げてしまうかもしれない全国ツアーをするという恐ろしさ。
損して得取れで「人命を最大限に尊重するため今回は中止とします」といったらどんなにカッコよかったか。
それを「払い戻し」も受け付ける的な小手先でごまかし、実施するとなれば「行かない選択」などまずないだろうとわかっていながら強行する神経。ファンの生命より個人事務所の経営、8年ぶりの復活へのこだわりを優先したのだとしたら情けない限り。
一人の感染者の発覚で職場崩壊、医療現場も崩壊、教育現場も崩壊していくほどの現実が大げさでもなんでもなく毎日ニュースになっています。
YOSHIKIさんの冷静さと賢明さが際立つ!
そんななか、とくに同じミュージシャンとして脚光を浴びているのがX JAPANのYOSHIKIさんのツイッター発言です。
YOSHIKIさんは新型コロナウイルス感染拡大の影響でイベント等が中止延期となっている現状でのライブ開催、決行について、
「BAND仲間、そしてそのファンのみんなへ」
とし、
「自分は決して人の模範になれるような人ではないけど、こういう時の判断は間違わない。苦渋の決断を伴うかもしれないけど、今このタイミングで、コンサートを行う行為、及び参加は、危険な行為だと思う…全ての人々に対して。みんなの安全を祈っています」
と警鐘を鳴らし続けています。
だよね!
の声が全国から聞こえて気がしました。
まさにこれこそ、常々ファンへ感謝の気持を持っている人の真の言葉でしょう。
それはライブやイベントに携わっている人々にとっても飯の種であることはわかっています。しかしそれは日本国民、世界中みな同じ。
売上が例年の半分以下などザラ、エンターテイメントの素晴らしさに日頃恩恵を受けて感謝はすれど、生命活動に必要な職業の人々でもみなそれぞれの「苦渋の決断」で公共の、さらにいえば、人類とウイルスとの大事な局面で私利私欲を優先することの恥を理解しなければと格闘し苦悶しているわけです。
生命を軽視した音楽に魅力って感じますか?と問いたい。
どんなに見てくれの良いステージをやろうが、凝った歌詞や曲を歌ったところで果たして心に響くのかが疑問。
ファンでも何でもない自分からしたら冷静に「結局、ファンからお金をとることしか考えてないんだな、ものすごい身勝手、見事な無責任さ」としか思わないし、自分が好きなアーティストがライブを開催するとしても絶対にこういう状況下であれば行きません。
払い戻しできないと言われても、絶対に行かない!
自分が実は保菌者で多くの人を感染させてしまう恐怖もあるし、感染していなかったとしてもライブに行くことで相当のリスクを背負うことになるし、非常事態宣言まで出されている状況下でライブを決行、ファンの生命が危険にさらされることに無頓着で無責任なミュージシャンのために大事な家族まで犠牲にしたくはない。
今回の新型コロナウイルスは「自己責任」などという範疇でおさまるものではなく、とてつもなく多くの犠牲と迷惑を他人や社会に強いることになるもの。そういう意識を一人一人が持たないかぎり終息など夢のまた夢でしょう。
危機意識に欠如した人々と、想像力を駆使してウイルス感染を遅らせたいと尽力している人々とのあまりの温度差に言葉もないですが、同業者であるYOSHIKIさんの「危険な行為」というシンプルがゆえに突き刺さるこの言葉で、思いとどまって欲しいものだと、そう願うばかりです。
本当のかっこよさは強行突破じゃなく「断念する強さ」。
そして今回のライブ決行によってさらに意を強めたことは、「こだわり」は時と場合によっては非常に厄介で窮屈で「はた迷惑」なものだなということ。
ではまた。
(出典・引用元:スポニチアネックス 2020.03.02)
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