ころもです。
羽生結弦選手といえばプーさん。
プーさんといえば、投げ込み。
その圧倒的な量に海外でも「Pooh マイ・ゴッド！」の反響があるほど、無くてはならない風物詩のようになっていましたが、
これ、
全面禁止となりました。
届けたいファンには悲しきメッセージか
素晴らしい感動の演技のあとの花束やぬいぐるみの数々。
それこそ「プーさんシャワー」という呼び名がいちばんしっくりくる、ものすごい量の黄色と赤の雨がリンクに降り注いで興奮を目でも楽しむことができたわけですが…
いっぽうで、
拾い集める、いわゆるフラワーガール・ボーイたちを見ているとこれは大変だなと。
次の演技者へ早くリンクを明け渡さなくてはいけないし、流暢にひとつひとつというわけにもいかず次から次に拾い上げる姿はなかなかのもの。
個人的には、
プーさんを投げ込んだところで十二分にプーさんを持っているだろう羽生選手はもう必要としていないだろうし、いっそのこと、このプーさんに使うお金を被災した自身の故郷、東北の震災復興に回したいと言ってみてはどうなのかと思ってみたり…。
また、前後の選手に心理的な劣等感というのかプレッシャーというのか、歴然とした目に見える違いを与えて動揺させることになるのではと懸念してみたりと落ち着かいない気持ちになってしまう。
しかしながら……
今週、大会の公式ホームページにこんな一文が掲載されたのです。
「花束・プレゼントの投げ込みは、競技進行の都合およびお客様の安全確保のため禁止とさせていただき（ま）す」
これまでエキシビジョンやアイスショーでは禁止されていても試合では認められていたということで、興奮冷めやらぬうちに選手に想いを届けるひとつの手段を失ったことに寂しさを覚えるファンもいることでしょう。
ただ、
昨日初日の女子のショートプログラムを見ていてまだこの「全面禁止」については知らなかったのですが、いつもより演技後の拍手の音が大きいなと感じたのです。
と同時に、次々にスタンディングオベーションする観客の姿が見えるではないですか。
とてもいい雰囲気に会場が包まれ、何も降ってこないことがこれほど快適で清々しくて温かいムードに包まれることに驚き、そして翌日の今日「全面禁止」になったという事実を知ったわけです。
いいと思います。
非常に。
ひとつ扉が閉じれば、別の扉が開くといったように、花束やぬいぐるみといったものを投げ込めないけれども感動は伝えたい。
それが拍手とスタンディングオベーションに切り替わったことでいきなり洗練された空間にスケートリンクが生まれ変わったというのか、すがすがしい、まるで断捨離を終えたあとのリビングのような爽快感に包まれたように感じたのです。
これまで運営側は、
中身が落ちないようにラッピングを徹底する、投げ込みをするのはアリーナ席や1階席だけに制限するなど観客に呼びかけてきた
というのですが、そうはいってもどこまで徹底できるのかという懸念は残るわけだし、少しでも花びらや糸くずがあるだけで選手たちには危険性があるということを考えればこの「全面禁止」は遅すぎる判断だというのが本音ではあります。
これからは会場内の「プレゼント預かり所」に託す形になるということで、おそらくプーさんの売れ行きそのものもだいぶ変わってくるのじゃないでしょうか。
プーさんのその後の行方は!?
どうやら投げ込まれたプーさんたちいはその後、羽生選手が孤児院に寄付しているのだそうです。（参考：スプートニク）
全面禁止になったことでしばらくは手持ち無沙汰なファンも、スタンディングオベーションや、開いた両手でこれまで以上に大きな拍手をできることになるならまた別の興奮と喜びを得られると想いますね。
実際、競技後に何かが上から投げ込まれる光景より、感動で立って大きな拍手が鳴り止まないときのほうが選手たちの表情も明るく嬉しそうに見えました。
今夜の男子ではどんな光景を見ることができるのか。
羽生選手や宇野昌磨選手、そして高橋大輔選手の演技と同じぐらいに競技後の余韻、会場の雰囲気がどうなるのかが楽しみです。
ではまた。
（出典・引用元：withnews 2019.12.20）
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