毒舌ころも

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時間が経つのが年々早く感じる理由はそうだったのか!

 

 

ころもです。

 

わかっているようでわからない。

そんなもののひとつに「時間の経過」があります。

 

具体的に言うならば「時間の経つのが年々早く感じる」という、あの感覚です。

 

週が始まったと思えばすぐに週末がやってくる。
起きたと思ったらいつのまにか夕方に……などなど。

 

このままでは人生そのものもあっという間に終わってしまう、そんな軽い恐怖にとらわれてしまう人も少なくないことでしょう。

 果たして時間は平等なのか

 

何もせずにボーッとしていただけで終わる一日もあれば、海外に行って帰ってというスケジュールを同じ一日で体験する人もいます。

 

同じ24時間なのに、ずいぶんとその内容は違うもの。

 

しかしさほど考えずともわかるように、我々は時計の前でじっとして24時間を過ごすわけではなく、各々が違った環境、状況、思惑、立場といった複雑極まりないものを背負って生きているわけです。

 

ハンモックに揺られてモーツァルトを日がな聴いて過ごす一日と、ダブル介護と育児に追われて座る暇もない一日。

 

同じ24時間でしょう? と言われて「うんうん」と頷く人は果たしているのか。
物理的な24時間と感情的な24時間とは、やはり平等にはなりえないというのが正直な感想でしょう。

 

理論上では万人に平等に流れるはずの時間も「置かれている状況によって長くも短くも感じるもの」というのが多くの人々の時間に対する向き合い方、捉え方なのだと思います。

 

新しいことを経験すると時間は長く感じる

 

明星大学心理学部心理学科准教授の藤井靖氏のコラムに面白いことが書かれていました。

 

それは「ジャネールの法則」について書かれたもので、

 

時間を感じる心理的な長さは、年齢に反比例する

 

というもの。

 

どういうことかと言うと、

3歳の子供にとって、1年は人生の3分の1ですが、30歳の大人にとって、1年は人生の30分の1です。つまり、自分の人生における時間は、1年、1日というワンピースの割合が、全体の長さに対して減ると同時に、短く感じるようになる

 ということ。

 

つまり、歳をとればとるほど時間は短く感じるということになります。

 

これは別に新たな発見でも驚きでもないですね。


そうだろうとほとんどの方が体験でわかっていることでしょう。

 

では、どうして「歳をとればとるほど時間が短く感じる」のか。

知りたいのはそこ。

 

結論から言うと、若い頃というのは未経験のことがたくさんあるため時間が長く感じるのだそうです。

 

なにせ人は新しいことを経験すると時間が長く感じるものらしく、それゆえ外出などしたときに行きは長く感じるのに帰りは短く感じるのだとか。

 

これは「わかる、わかる」じゃないでしょうか。

誰もが経験のあることでしょう。

 

どこへ行くのか、どのぐらいで着くのか一切情報も体験もないと非常に長く感じるのに、辿ってきた道を帰るときのあっけなさったらもう……。

 

 

短時間でやれることが増えると時間は早く過ぎてしまう

 

そしてもうひとつ、歳をとればとるほどに時間が短くなる理由として挙げられることに、

 

短い時間の中でやれることが増える

 

という理由もあるのだとか。

 

10分、1時間の間に処理可能なことが増えると、時間は早く過ぎるようになる。一方で壮年期を過ぎ、老人になると体力が衰えて短い時間でやれることが減ってしまいますが、「できる」という感覚は変わりません。なので、年を取っても時間の進むスピードは早くなっていきます。…後略

なるほど、人生経験が豊富になればなるほど、年を重ねれば重ねるほどに時間の過ぎるのが早く感じる理由というのは何となくはわかりました。

 

端的にいってしまえば、人生を軽くいなして、いろいろなことを難なくクリアしていけるほどの経験が時間を短く感じさせてしまっているということのようです。

 

しかし、

 

いわゆる「未経験のことが減るから」という理由だけじゃなく、その他にも感情的な部分がやはり関係しているようです。

 

当然ですよね、むしろそちらのほうが実感としてわかります。

 

 

時間の経過に注意が向くかどうか

准教授、藤井氏のコラムでは”楽しい時間はあっという間に過ぎる”ということをあげ、その理由として時間の経過に注意が向きづらくなるからと説明しています。

 

わかりやすい例としてエレベーターについている鏡が挙げられているのですが、

 

たとえばエレベータに鏡がついていると、髪型や服装など時間以外のことに気を取られ、目的の階にすぐに移動できたように感じられるというのです。

 

なるほど、それだけが理由ではないにしても、そういう目的もあってエレベーターに鏡をつけているのかもしれない。だとすると、それはムダに時間がかかると思われるよりはサービスとしても消費者にとっては心理的に有り難いものかもしれません。

 

音楽も鏡もなくただ狭い箱に入れられて上下するよりは、

時間だけじゃなく気も紛れるという効果もあるでしょう。

 

時間の経過を感じさせないほどの「何か」注目できる物事があれば、同じ時間が流れるにしてもまったく違う感覚を作り出すことができる。

 

これはサービス業だけじゃなく、人生のいたるところ、シーンで使えそうですね。

 

このわかっていたようで、以外と漠然としていた時間のからくりのようなものを上手く使いこなせば「退屈な時間は短く、楽しい時間はより長く」感じることができるような工夫も思いつくのじゃないでしょうか。

 

心理的な時間を増やすも減らすも自分次第なら、ぜひ生活のなかで応用してみてください。

 

まずは新しいこと、未体験のことに着手する。それを習慣化していくことでマンネリ化した過ぎ去るだけの時間を、愛おしい時間になるよう切り替えていくのがいいかも。

 

ではまた。

 

(参考・一部引用元:PRESIDENT 2019年3.4号)