毒舌ころも

気になることは胸に秘めず口にするサイト

孤独の「健康被害」を数値化!?運動不足より危険なリスクとは

 

 

ころもです。

 

「孤独死」というワードが他人事に思えない。
そういう人が増え続けています。

 

一人で亡くなっていく人を乱暴に「孤独」という言葉で一括りに表現することは完全に間違いだと思っていますが、「孤独であること自体が死の原因になる」という事実にはかなりの説得力があると感じています。

 

 孤独は万病の元に!?

米ブリガムヤング大学のジュリアン・ホルトランスタッド教授の発表によれば、

孤独が寿命に及ぼす影響は、肥満や運動不足、避けの飲み過ぎよりも甚大であり、運動をしたり食生活に気を使っても、孤独であればそれらの良さを打ち消すほどの破壊力があるというのですから、事は深刻です。

 

そのデータは膨大で、広範な年齢30万人以上のデータが元になっており、148の研究が対象となっているというのだから信頼性も高いというもの。

 

一人で迎える「死」が孤独とは限らないけれども、

 

「孤独による死」ということであれば、それは考察する価値が十分にあるのも頷けます。

 

 

◇寿命に与える影響度の比較によれば…

 

「孤独」は肥満や運動不足の約3倍、過度の飲酒の2倍も寿命に与える影響が大きいという比較結果が出ています。

 

これはなかなか切実な数字じゃないでしょうか。

 

その証拠に、孤独がイギリス国家の経済に与える影響は「年間320億ポンド(日本円にして約4.9兆円)」にのぼるといわれ、今年初めに「孤独担当大臣」なるポストを新設した事実があります。

 

では、孤独は人体にどうダメージを与えるのかを具体的に見ていきましょう。

 

 

孤独を感じると”脅威”として脳に認識される!

 

脳が孤独を感じると免疫システムが過剰に働き、全身で炎症が起こるといいます。

それが長期に渡れば、血管や細胞などの周辺組織にまでダメージがおよび、全身の機能が低下していくというのです。

100歳以上の高齢者は炎症レベルが異様に低いことからすると、炎症レベルが高いほど早死する可能性が高いということになりますね。

 

 

◇孤独の健康被害を一部数値化したものを見ると…

 

〜認知症リスクが31%増


これは認知症を発症していない約1万人の男女を対象に、約10年間の健康状態やライフスタイルの状況を調査した結果を分析

 

〜心臓病リスクが29%増


これは英・ヨーク大学の研究チームによる発表。23件の過去研究(計18万人が対象)をメタ分析したところ、心疾患のリスクは29%、心臓発作のリスクは32%も高まるという結果に

 

〜早期死亡リスクが50%増


これは2018年6月の欧州心臓病学会での発表より。さまざまな心臓病を抱えるデンマーク人の患者1万3463人について、ライフスタイルや交友関係と退院後の経過を分析

 

 

とんでもない結果です。

 

 

◇孤独を判定するための興味深い基準とは…

 

ある海外メデイアは、

 

朝4時にトラブルに巻き込まれたときに、
電話で相談できる相手がいるか?

 

を、孤独を判定するための基準として挙げています。

 

わかりますね、この「朝4時」という設定。

 

眠りがもっとも深い時間に、起こしてでも相談にのってほしい、あるいは相談にのってくれるだろうという相手がいるだけでも、物理的にたとえ一人で暮らしてはいても孤独とは認定されないでしょう。

その逆もまた然り。

 

また友人の「人数」というものもオックスフォード大学の調査によればあまり関係ないそうです。人間は一度に5人前後としか親密な人間関係は築けないらしく、重要なのは親密な友人を持っているかどうかだと。

 

個人的な感想としては、歪んだネットワークで疲弊するぐらいなら孤独のほうがマシだしストレスも少なくて長生きするという考えには賛同します。

 

ただ、その中には自分の本心が見えない、あるいは隠したいという深層心理もあるだろうなと見る必要もあるわけで、そう考えると、孤高である人と孤独である人の違いというものも見抜かないといけなくなるでしょう。

 

求める孤高と、そうなってしまった孤独は当然ながら同じじゃない。

 

孤高は礼賛されるものであっても、孤独は結果そうなってしまうという考えのほうが馴染むもので、進んで孤独を選んだという類のものじゃないと思えるからです。

 

しかし孤独が危険ということで相手の素性もよくわからないのに結婚をし、家庭内別居をして結果「一人の時より、なお深い孤独」に陥るほうがより健康被害が大きいということもいえるので、その辺はおのおの自分をよく知って対処して欲しいところですね。

 

では。

 

 (出典、参考元:『週刊SPA』11月13日号)