ころもです。
アメリカではあまり使われていないのに、日本ではすぐに処方される薬があるのだといいます。
アメリカが慎重なのか、日本が杜撰なのか。
現在、世界の中で「日本人が一番飲んでいる」とされる薬は認知症薬。しかしこれら薬はアメリカでは極力使わない方向で進んでいるといいます。
なぜなら効果が極めて限定的であり、根本的に認知症を治療できる薬はまだ開発されていないから。にもかかわらず日本では80代、90代の高度認知症の人に最高量の認知症薬が投与されており、そんな国は日本だけだというのだから聞き捨てなりません。
アメリカなどは高度の認知症患者には「使っても意味がない」と老年医学会も公表しているとのこと。
フランスでは認知症薬は保険適用から除外されたといいます。
「国民皆保険制度」が裏目に?
アメリカなど自由診療が基本で医療費が圧倒的に高い国と違い、少ない負担で誰もが医療を受けられる「国民皆保険制度」があるのが日本の良さ。
ところが少ない金額で医療を受けられるがため日本人の「薬依存」が起こっているのだとしたら、これは何とも皮肉な話ですね。
医者がすすめる薬を闇雲に飲むのではなく、更新し続ける医療情報をキャッチしにいく心構えがこれからの時代は必要でしょう。
医者が製薬会社に踊らされても、自分の命を守るためには立ち止まってそれを精査する判断力と決断力が求められるというわけです。
というわけで、本日は『週刊現代』から「日本ではすぐ処方されるのに、アメリカでは処方に慎重な薬」のリストをご紹介致します。
飲み続けると「死亡率が上昇する」ものも!?
逆流性食道炎などを訴え病院へいくと処方される、「PPI」(プロトンポンプ阻害剤)という胃酸分泌を抑える薬。
日本ではすぐ処方されるのにアメリカでは大きな問題になっているといいます。
スタンフォオード大学らの研究者が290万人もの対象者を調査した結果、PPIを利用している人は、利用していない人に比べて16%、心臓発作が起きる可能性が高かったと発表し話題になったというではないですか。
それだけではありません。
2016年には米国医師会雑誌に”認知症のない75歳以上の高齢者約7万人を対象に調査”したところ、
「PPIをを定期的に服用している人はしていない人に比べて、認知症になるリスクが高まることが明らかになったのです。研究者らは、PPIの利用を避けるべきと結論づけました」
日本ではすぐに処方される「PPI」だというのにです。
アメリカではこの「PPI」なる薬は医師が処方したくない薬の代表ともなっているというのですから、冗談抜きで心配になります。
ということで、ご紹介させて頂きましょう。
日本ではすぐ処方されるが、
アメリカでは処方に慎重な薬 一覧
・病状:高コレステロール血症
・種類/薬品名:スタチン
クレストール、リピトールなど
【理由】
米国では心臓病や脳卒中の既往症がない75歳以上の高齢者が飲み続けた場合「かえって死亡率が上昇する」と警告。糖尿病、白内障の発症リスクを上昇させ、腎臓・肝臓・神経を傷つけるというデータも。
・病状:糖尿病
・種類/薬品名:SU薬(スルホニル尿素薬)
アマリール、ダオニール、オイグルコンなど
【理由】
膵臓には刺激を与えインスリンを増加させる薬だが、脱水や低血糖の副作用もある。2012年、米内分泌学会はメトホルミンに比べて死亡率が50%以上高まると発表。メトホルミンが第一選択薬となっている。
・病状:胃潰瘍、逆流性食道炎
・種類/薬品名:PPI(プロトンポンプ阻害剤)
オメプラール、タケプロン、ネキシウムなど
【理由】
認知症、股関節の骨折、慢性の腎臓病、うつ病など様々なリスク増加が報告されており、米国では訴訟が数千件起こっている。PPI専門の弁護士がいるほど。そのため医師も処方には慎重になっている。
・病状:骨粗鬆症
・種類/薬品名:ビスホスホネート製剤
アクトネル、ベネット、ボナロン、フォサマックなど
【理由】
米国食品医薬品局(FDA)がビスホスホネートの適正服用期間を評価したところ、5年を超える治療の利点はほとんど見出されなかった。飲み続けた場合、上部消化管障害などの副作用リスクが高まる。
・病状:不眠症
・種類/薬品名:ベンゾジアゼピン系睡眠薬
ハルシオン、レンドルミンなど
【理由】
米国老年医学会は「高齢者の不眠、攻撃性、せん妄の治療では、最初の薬剤としてベンゾジアゼピン系睡眠薬を使ってはならない」と注意喚起している。米国では交通事故や転倒のリスクが2倍以上に。
・病状:認知症
・種類/薬品名:ドネベジル、ガランタミン、リバスシグミン、メマンチン
アリセプト、レミニール、イクセロン、メマリーなど
【理由】
アルツハイマー型認知症に対する根本的治療薬ではないとして、処方をへらす動きが広がっている。吐き気、食欲低下といった副作用も懸念され、米国では大手製薬会社が認知症役の開発から撤退している。
・病状:うつ病
・種類/薬品名:オランザピン
ジプレキサ、セロクエルなど
【理由】
高齢者のうつ病薬としても使われるが、本来は重い精神病患者用の薬である。米国食品医薬局(FDA)では、高齢者への安全性や有効性が承認されていない。乱用すると興奮や意識障害を起こす。
・病状:副鼻腔炎
・種類/薬品名:抗菌薬
クラビット、ジスロマックなど
【理由】
鼻づまり、鼻水、咳、頭痛などの症状が出る副鼻腔炎。日本もアメリカも抗菌薬が処方されていたが、米国家庭医学会が安易な投与は「耐性菌」を作ると通達を出したことで、処方は徐々に減っている。
以上です。
(出典・参考元:『週刊現代』2018年10月27日号)
いかがでしたか。
公立病院ですら倒産する時代。
突き詰めるところ、医療とはビジネス、医者も商売人であるということです。
その現実を忘れてしまうと医者の言葉に妄信的になってしまうので要注意。誰だって商売人なら商品を売りたいものでしょう。
かといって、売られる商品をすべて購入するというわけにはいかない。
思えば、当たり前すぎる現実です。
経営悪化が進めば医療の質だって低下。そうなれば医者も人間なのでやさぐれることもあるでしょう。
自分の命は自分で守る。
そのために欠かせないことは「疑ってかかる」という、より良い医療を享受するためのちょっとしたこだわり、各々の意識しかありません。
医者は神ではない。
信じるのは大切なことですが、医療も日進月歩、疑うことなく従い続けることは避けなければならないでしょう。
ではまた。
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