ころもです。
神経衰弱になるほど情報過多なこの時代、知らないほうが幸せだったということは少なからずあります。
でも、それが命に直結するものだとしたら話は別。
たとえば身近な市販の薬ならどうでしょう。
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もしその薬を飲み続けることによって「認知症になるリスクが高まる」のだとしたら「知らないほうが幸せだから知らないままでいいわ」といい切れるでしょうか。
今日はそんな話です。
認識しておくことはあまりに重要すぎる
世界の医療界を震撼とさせた論文が今年4月末、イギリスの権威ある医学誌『BMJ』に掲載されたのをご存知でしょうか。
研究の中心メンバーである英イーストアングリア大学のイアン・メイドメント博士は
「私たちの研究では、抗うつ薬など、『抗コリン作用』を持つ薬を服用することが、認知症の発症とリンクしていることが明らかになりました」
と語り、膨大なデータをもとに10年以上を費やしたことを明かしています。
抗うつ薬、泌尿器系の治療薬、抗パーキンソン病薬。
この3種類の医薬品がこの研究で「認知症の発症と明確なつながりが確認できた」というのですが、同じく抗コリン作用を持つ薬がわれわれの周りにあふれていることに、医師や薬剤師たちは注目しているといいます。
認知症との明確なつながりは今回の論文では明らかにされなかったものの、風邪薬や胃腸薬にも実は抗コリン作用を持つものは多く、その潜在的なリスクを突きつけられた形になったと。
特筆すべきは、
この抗コリン作用があるものが「処方薬」だけではなく、誰でもが気軽に購入できるドラッグストアで売られている「市販薬」の中にも多数存在するという点です。
『週刊現代』2018年6月16日号は、「飲みすぎると認知症になる薬『市販薬編』」を実名で公表していました。
今回は公表された実名リストをご紹介させて頂きます。
安易に風邪薬を飲み、長く服用することの危うさ
そもそも「抗コリン作用」は何かと言えば、
人間の体内にある「アセチルコリン」という神経伝達物質を抑制する働きのことで、「アセチルコリン」は体液の分泌や内蔵の動きを司る「副交感神経」を制御している。抗コリン作用は、副交感神経の機能を低下させ、消化管の筋肉の過剰な動きや胃液の分泌を抑える働きをする。
とあり、
ではなぜにこれが認知症と関係するのかというと、
抗コリン作用は、基本的には抹消神経で起きるものですが、脳への影響も皆無ではありません。アセチルコリンは、脳においても神経伝達物質として使われていますが、抗コリン作用が脳内での働きも抑制してしまうため、認知機能を低下させるのではないかと考えられているのです。
というのだから納得です。
(引用元:『週刊現代』6月16日号より一部引用)
〜飲みすぎると認知症になる薬(市販薬)〜
【総合かぜ薬】
・エスタックイブTT(エスエス製薬)
・キッズバファリンかぜシロップ(ライオン)
・コルゲンコーワIB透明カプセルα(興和)
・新コンタックかぜ総合(グラクソ※1)
・新ルル-A錠s(第一三共ヘルスケア)
・ストナジェルサイナス(佐藤製薬)
・パイロンPL顆粒(シオノギヘルスケア)
・パブロンエースPro錠(大正製薬)
・ベンザブロックS(武田※2)
【胃腸薬】
・イノキュアS(小林薬品工業)
・エスナールMカプセル(小林薬品工業)
・ストパン(大正製薬)
・ストマオフ糖衣錠(ゼリア新薬)
・ブスコパンA錠(エスエス製薬)
・ブスコパンMカプセル(エスエス製薬)
・ブスポンS(小林薬品工業)
・ブチスコミン(佐藤製薬)
【鼻炎薬】
・アスゲン鼻炎錠S(アスゲン製薬)
・エスタック鼻炎カプセル12(エスエス製薬)
・コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセル(興和)
・シオノギ鼻炎顆粒(シオノギヘルスケア)
・ストナリニS(佐藤製薬)
・パイロンS鼻炎顆粒(シオノギヘルスケア)
・パブロン鼻炎速溶錠(大正製薬)
・鼻炎カット(ダイト)
【睡眠改善薬】
・スリーペイド(岩城製薬)
・スリーミンカプセル(奥田製薬)
・デイトナS(オール薬品工業)
・ドリエル(エスエス製薬)
・ドリエルEX(エスエス製薬)
・ドリーミンZ(小林薬品工業)
・ナイフル(アスゲン製薬)
・フストールS(オール薬品工業)
・ヨネール(米田薬品)
【かゆみ止め】※併用によるリスク
・アセムヒEX(池田模範堂)
・カユミックAローションⅦ(ノーエチ薬品)
・ケラチナミンコーワ乳状液(興和)
・新ウナコーワクール(興和)
・デリケアM’s(池田模範堂)
・フェミニーナ軟膏S(小林製薬)
・ムヒHD(池田模範堂)
・レスタミンUコーワ錠(興和)
【酔い止め】※併用によるリスク
・こどもクールスカイ(久光製薬)
・シャドーゲン(日邦薬品工業)
・セイブ(小林薬品工業)
・センパア・QT(大正製薬)
・トリブラサイム(大木製薬)
・トラベルミン(エーザイ)
・トラベロップQQ(浅田飴)
・マイトラベル錠(興和)
※1 グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン
※2 武田コンシューマーヘルスケア
(引用元:『週刊現代』6月16日号)
〜飲みすぎると認知症になる薬(処方薬)〜
【かぜ・鼻炎などの薬】
・アレルギン(第一三共)
・セレスタミン(高田製薬)
・タベジール(日新製薬)
・ネオマレルミン(武田テバ)
・ネオレスタミン(興和創薬)
・ビスミラー(扶桑薬品)
・ホモクロミン(エーザイ)
・ポララミン(高田製薬)
・レスタミン(興和創薬)
【胃潰瘍・腸炎などの薬】
・コリオパン(エーザイ)
・セスデン(田辺三菱製薬)
・ダイピン(第一三共)
・チアトン(マイランEPD)
・ブスコパン(サノフィ)
・プロ・バンサイン(ファイザー)
・リラダン(コーアイセイ)
(引用元:『週刊現代』6月16日号)
以上となります。
なお記事では、薬局に行ったときに簡単にリスクの高い薬を見分ける方法の一つの指標としては、薬の成分に、
◇ジフェンヒドラミン
◇クロルフェニラミン
◇ブチルスコポラミン
といった表記があるかどうか、だといいます。これらの成分を含む薬には、抗コリン作用があるとのこと。
さらに気になる場合には、薬剤師に
「第一世代の抗ヒスタミン薬か」
「抗コリン作用が強いか」
と尋ねてみるのもいいと。
自分の命は自分で守る以外ありません。
考えもなく、「お薬だから大丈夫だろう」という安易さで習慣的に飲むにはあまりにリスクが高すぎるものが溢れていますから。
ではまた。
(出典・参考元:『週刊現代』2018年6月16日号)
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